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粋々農業女子

【9】作物の魅力で若者呼び込み 森本聖子さん(神戸市北区)(41)

2020.03.24
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出荷のピークを迎えたイチゴの魅力を語る森本聖子さん=神戸市北区淡河町中山

出荷のピークを迎えたイチゴの魅力を語る森本聖子さん=神戸市北区淡河町中山

 「神戸市北区出身だが、淡河(おうご)町の読み方も知らなかった」。今では「おばあちゃんになっても、ここで野菜を作っていたい」と話す。

 高校を出てイギリスに留学。その経験を生かし、旅行代理店に勤めた。30歳で引っ越した同市兵庫区のマンション。広めのベランダで、包丁で切り落とした根付きのネギを育てた。ハーブ、ニンジンと種類を増やし、1年足らずで淡河町の農園を借りた。植えたナスやトマトは大きく育ち、農への興味は膨らんだ。

 「休みはないし大変だよ。体力も大丈夫?」。2010年夏、退社して臨んだ兵庫県楽農生活センター(神戸市西区)の新規就農者養成講座の選考会場で、面接官に詰め寄られた。高校時代に女子サッカー部で全国準優勝。「『体力は自信があります』って言い返した。女性でも農業できるのを伝えたかった」と笑う。

 講座は1年。土づくりから水管理、収穫など実習を交えて農業の基礎を身に付け、淡河町で就農した。

 「ハクサイやホウレンソウとか、よくある野菜では従来の農家にかなわない」と、五つの畑計約2500平方メートルで紅芯大根、赤軸ほうれん草など珍しい少量多品目を栽培する。兵庫区から通い続けた約2年後、住民から古民家を紹介されて移住。以来、地域の草刈りや祭りなどにも参加する。

 珍しい野菜を手に、軽トラックで三宮のマルシェや飲食店を巡り販路を広げつつ、淡河もPR。そのかいあって新たな住人や、カフェ、レストランも増えた。「車で三宮から40分で見渡す限り山ばかり。その魅力を知ったシェフや都心の人が訪ねてくれるようになった」と喜ぶ。

 淡河を知って10年余り。「知り合いも年をとって農家も減った。若い人を呼び込み、地元を元気にしたい」。将来の元気な姿を思い描く。(山路 進)

【メモ】地元の「道の駅淡河」や神戸・三宮の東遊園地である土曜朝市「ファーマーズマーケット」、北野の地産地消農作物の販売拠点「ファームスタンド」にも出荷する。