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 最高裁の重要判断を掲載した「判例集」
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 最高裁の重要判断を掲載した「判例集」

 最高裁の重要判断を掲載した「判例集」

 最高裁の重要判断を掲載した「判例集」

 重要な司法判断を掲載する「最高裁判例集」に多数の誤りが確認された。調査対象となった著名な大法廷判決12件だけで119カ所に上る。戦後間もない時期から集積されてきた掲載総数は約8400件。最高裁の調査は始まったばかりで影響は底が知れない。原典として多方面で引用されてきた法律界の「バイブル」の信頼が揺らぎ、困惑が広がった。

 ▽一言一句

 「最悪の場合、歴史が変わるかもしれない」。9月中旬、共同通信から判例集に誤りがある可能性を指摘された最高裁の担当者はショックを隠さなかった。直後から、判決原本との照合作業に着手し、70年以上前の判決文を取り寄せるなど、担当部署の職員が約2週間、かかりきりで調べ上げた。

 「脱字(フレーズ)12、(助詞)6、(読点)9、変更(句点)19、誤字(助詞)1…」。正誤の一覧をまとめたミスは計119カ所になった。

 当事者の指摘などで誤記が判明したケースは過去にもあった。だが「これほど大規模なのは例がない」と最高裁幹部。現状では致命的な誤りは確認されていないが「判例集全体の信頼を損ないかねない」と表情は険しかった。

 判例集は判決原本に代わる公式資料だ。「法解釈の基準」として、後に言い渡される地裁、高裁の判断を縛り、裁判書面では主張の根拠として引き写される。法律書籍や研究論文にも使われ「刑集1巻1号1頁」と出典を明示するのが通例だ。「一言一句に意味がある」と裁判所関係者は口をそろえる。

 ▽パンドラの箱

 最も重要な基礎資料に生じた疑義の影響は計り知れない。判例集をよりどころとしてきた法学部教授は「パンドラの箱が開いた」と頭を抱える。「判例集の内容は正しいというのが研究の大前提だ。これからは何を信じればいいのか」。論文や学生向けのレジュメに数多く引用し「全て見直す必要があるかもしれない」と困り果てていた。

 法律実務にも波紋が広がった。労働問題に詳しい中川拓弁護士は、今回の報道を見て慌てた一人だ。担当する案件で、誤りが見つかった「旭川学力テスト」事件判決の該当部分を提出書面に引用していた。幸い、別の判例データベースからの引用と確認し、事なきを得た。「判例集は最も権威があり、厳重なチェックをして掲載していると思っていた。原因を究明すべきだ」と最高裁に対応を求めた。

2021/10/19
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