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 土石流起点の土地を巡る構図  発生翌日の大規模土石流の現場=7月4日、静岡県熱海市
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 土石流起点の土地を巡る構図

 発生翌日の大規模土石流の現場=7月4日、静岡県熱海市

  •  土石流起点の土地を巡る構図
  •  発生翌日の大規模土石流の現場=7月4日、静岡県熱海市

 土石流起点の土地を巡る構図  発生翌日の大規模土石流の現場=7月4日、静岡県熱海市

 土石流起点の土地を巡る構図

 発生翌日の大規模土石流の現場=7月4日、静岡県熱海市

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 静岡県熱海市の大規模土石流に関し18日に公表された大量の行政文書からは、土砂崩落の危険性を軽視してきた県と市の姿が浮かび上がった。「住民の生命に危険を及ぼす」とする文書までまとめておきながら、強い措置を講じず、監視体制の強化も先送りに。市は同日の記者会見で自らの責任に踏み込まず、識者からは「癒着の有無を含め、第三者による徹底した検証が必要だ」との声が上がった。

 ▽巧妙な手口

 「条例に基づく市の権限はあまりにも限られている」「(土石流起点の土地所有者らは)厳しい指導を避けるために巧妙な手口を使った」。県の文書公表を受け、18日午後に熱海市役所で開かれた会見で、斉藤栄市長は身内である職員をかばうような発言を重ねた。

 県がホームページで公表した文書によると、2011年まで起点となった土地を所有した不動産管理会社(清算)への行政指導を繰り返してきた県と市は、10年10~11月の協議で土砂崩落の危険性を改めて共有。11年3月には、市から停止命令の相談を受けた県の担当者が「条例による所要の手続きを取るほかない」と発令を後押しする場面もあった。

 土砂崩落の危険性を指摘する意見は、過去に起点の土地で造成を手掛けた事業者からも出ていた。事業者側は11年、「役所が命令を出して修復工事をしないと、下流の住民に被害が及ぶ。そんなことになったら、役所の責任を問われる」と県と市に忠告。16年にも「崩落は時間の問題」などと強調していた。

 ▽アキレス腱

 一歩手前まで進んでいた措置命令などの発令が最終的に見送られたのは、不動産管理会社が「普通の会社ではない」(元市幹部)という事情があったからとみられる。

 複数の市OBによると同社の幹部らは、思い通りに手続きが進まないと市職員をどう喝したり、都合が悪くなると連絡が途絶えたりした。公表された文書にも県職員が「行政指導は無視されればおしまい」と記録しており、無力感にさいなまれていた様子がうかがえる。元市幹部の一人は「(同社が市内の)土地を手放すと分かると安堵したものだ」と振り返る。

 起点周辺には生活用水をためる市の受水槽があり「命令を出すと使用停止を求められる」(県公表文書)との懸念もあった。不動産管理会社の関係者によると、受水槽の移設には数十億円の費用がかかるといい、市にとって“アキレス腱”だったとみられる。

 ▽忖度

 元市職員で、土地所有者らを相手取った民事訴訟を起こした「被害者の会」副会長の太田滋さん(65)は「(不動産管理会社に)忖度したとしか思えない」と批判。会は当初、県や市も被告に加える予定だった。

 中央大の佐々木信夫名誉教授(行政学)は「行政の権限行使に大きな瑕疵があったと言わざるを得ない。起こるべくして起きた『人災』の色合いが強い」とし、県と市が土地所有者や業者による手抜き工事を見逃してきた背景に癒着がなかったかどうかを第三者が検証すべきだと指摘。他の土地の再点検や再発防止策の策定にも早急に取り掛かる必要があると強調した。

2021/10/19
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