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トルコ、環境重視に急旋回
 EU圧力、自然災害重なる
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 山火事があった場所=12日、トルコ・マナウガット(共同)
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 山火事があった場所=12日、トルコ・マナウガット(共同)

 山火事があった場所=12日、トルコ・マナウガット(共同)

 山火事があった場所=12日、トルコ・マナウガット(共同)

 トルコが温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」に批准した。対策の遅れを批判されていたが、環境重視に急旋回。2053年までに温室効果ガス排出実質ゼロを目指すと表明した。背景には欧州連合(EU)の圧力がある。今夏は自然災害が重なって国民の関心も高く、環境保護団体は「行動」を求めている。

 「火が川のように流れ、あっという間に広がった」。トルコ南部マナウガットの山あいの村に暮らすファトマ・ギュルリュさん(47)は山火事で自宅と1300本のオリーブの木を失った。焼け残った実は黒く焦げ、葉は薄茶色に変色した。地域では燃えた木の伐採が延々と続いていた。「気候が変わった。昔のような雨は降らず、干ばつもある。緑あふれる村だったのに」と肩を落とす。

 今夏、トルコ地中海沿岸で山火事が相次ぎ、8人が死亡した。焼失面積は計20万ヘクタールに上り、例年の5倍を超えた。黒海沿岸では洪水が相次ぎ、80人以上が犠牲に。海は水温が上昇し、植物プランクトンが異常増殖した。

 エルドアン大統領は9月の国連総会で「人類は地球の資源をむやみに使ってきた。気候変動は取り返しが付かない結果を引き起こす」と危機感をあらわにし、パリ協定に批准すると表明、10月に国会が批准を承認した。

 ただ、トルコは20カ国・地域(G20)で唯一パリ協定を批准していなかった。16年に署名したが、より大きな責任を求められる「先進国」と位置付けられることに反対。国会は承認時に資金・技術支援が受けられる「発展途上国」として批准すると強調した。

 ではなぜ今、批准なのか。気候変動政策調査協会のバラン・ボズオール会長は「経済的な理由」と解説する。EUは今年7月、環境規制の緩い国からの輸入品に課税する「国境炭素税」を導入すると発表した。現状のままではトルコの輸出企業に巨額の課税がのしかかる恐れがある。これを避けるために環境政策の見直しが必要だった。

 また、気候変動に対する有権者の関心は高い。23年に控える大統領選の争点の一つだ。支持率低迷に直面するエルドアン氏は今月末に英グラスゴーで開幕する国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)に出席し、環境重視を内外にアピールする見通しだ。

 環境保護団体グリーンピースのギョクハン・エルソイ氏は「トルコは自身の役割と責任から逃げる態度を示してきた。今回の批准が実際に具体的な政策で裏付けられなければならない」と注文を付けた。(マナウガット共同=橋本新治)

2021/10/19
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