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 日本企業の半導体の売上高シェア
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 日本企業の半導体の売上高シェア

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 半導体の世界的大手、台湾積体電路製造(TSMC)が新たな工場を日本に建設する方針を表明した。経済安全保障の強化を背景に安定調達の重要性が増す中、数千億円規模の支援を用意する日本政府の積極的な誘致にTSMCが応じた形だ。新工場が立地する方向で調整が進む熊本県では経済効果に期待が高まる。

 ▽信頼関係

 「顧客と日本政府からプロジェクトを支援するとの強い約束を得ている」。TSMC首脳は14日の事業説明会で、日本政府の熱烈なラブコールが建設の決め手になったと示唆した。

 日本政府は最大8千億円規模とされる工場建設の半分程度を補助する計画で、支援の詳細な条件などを今後詰める。14日に取材に応じた萩生田光一経済産業相はTSMCの進出を歓迎した上で「選挙後にしっかり方針を決めて対応を考えたい」と話した。

 あらゆるハイテク製品に使われ、デジタル社会に欠かせない半導体の確保は重要性が増すばかりだ。しかし世界の半導体市場で1980年代後半に半分を占めた日本メーカーのシェアは徐々に低下し、2019年には10%まで落ち込んだ。TSMCが新工場で製造するレベルの微細な製品は「今は国内に生産能力がない」(経産省幹部)状況に追い込まれていた。

 政府はTSMCが茨城県つくば市で実施する研究開発への支援も決めており「こうした信頼関係の構築が、今回の新工場建設の判断につながった」(関係者)と胸をなで下ろす。

 ▽存在意義

 中国との関係が緊迫化している台湾は、TSMCをてこに国際社会との連携強化を狙う。蔡英文総統は10日の演説で「世界的に半導体が不足する中、供給網に占める台湾の重要性は一層顕著になっている」と強調した。

 蔡政権は、台湾統一の圧力を強める中国に対抗していくためには、国際社会の支持が不可欠と位置付ける。半導体を戦略的な材料として活用し、台湾の存在意義を最大限アピールする考えだ。

 実際に、TSMCは台湾内外で新工場の建設計画に次々と着手。今後3年間で1千億ドル(約11兆円)を投入して生産能力を増やす方針で、世界最大手として業界をリードする構えだ。

 ▽シリコンアイランド

 熊本県は16年に起きた地震からの復興に向け、地元政界や経済界を中心に半導体企業の誘致を進めてきた。県内の関連部品製造の企業経営者は「地元産業の底上げにつながる」と歓迎する。

 九州は半導体の関連産業が集積し「シリコンアイランド」と呼ばれるほどだが、近年は日本の競争力低下を受けて存在感が薄れていた。熊本県の幹部は「雇用の拡大や取引先企業の活性化にもなる。電力供給や水道などのインフラ整備で支えたい」と話した。(東京、台北共同=山崎翼、東岳広、松岡誠)

2021/10/15
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