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「髪への偏見なくしたい」
 大阪のNPO法人が書籍 医療かつら、子どもに提供
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 ヘアドネーションの流れ
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 小児がんや脱毛症などで髪を失った子どもらに、医療用ウィッグ(かつら)を無償提供する「ヘアドネーション(髪の寄付)」の書籍が発売中だ。日本で先駆けとして寄付に取り組んできた大阪市のNPO法人が監修。法人代表は今後も活動を続けると話す一方、頭髪への偏見がなく「必ずしもウィッグを必要としない社会」が理想と訴える。

 寄付のため髪を伸ばし「ジロジロ見られた」と語る男子中学生。小6で脱毛症となった女子中学生は、着用で電車通学時に「周りの目が気にならなくなった」。結婚時に夫にウィッグ着用を言い出せなかった女性…。

 書籍ではウィッグを贈られた子どもやその家族、髪を提供したドナーらの体験談や思いをイラストや写真付きで掲載。髪の寄付経験がある俳優柴咲コウさんのインタビューも含まれる。

 タイトルは「31cm」。NPO法人「Japan Hair Donation&Charity(ジャーダック)」の活動10周年記念として企画され、6月に発売された。31cmは、ウィッグ製作に必要な最低限の髪の長さで、書籍では製作過程や病気も解説している。

 同法人は2009年に大阪の美容師らで設立。これまでに、寄付された髪で作った500個以上のウィッグを18歳以下の子どもに贈った。同法人の取り組みに賛同する美容室などは各地に2100店以上。一つのウィッグを作るには30~50人分の髪が必要という。

 同法人のウィッグを待つ子どもらは約300人。希望者に合うものを提供するためスタッフが頭の採寸をしてきたが、新型コロナウイルス禍で面会が難しくなり、海外でのウィッグ生産もコロナのため一時停止。19年度は111個を製作したが、20年度には17個に落ち込んだ。希望者がリモートで頭を採寸できる仕組みを導入するなどし、本年度は9月初旬までに60個以上提供したという。

 同法人代表で美容師の渡辺貴一さん(50)はウィッグを巡り、数百人から悩みや思いを聞いてきた。大人になるまでにウィッグに1千万円以上を費やした人もいたといい「当事者は社会にさまざまなコストを支払わされてきた」と指摘。「『髪は女性の命』といった無意識の偏見がないだろうか」と問い掛ける。

 「なぜウィッグが必要とされる社会なのか。(書籍を)他人の容姿に対する考え方をアップデートするきっかけにしてほしい」と渡辺さん。書店やオンラインで購入でき、1冊2200円。印税は同法人に寄付される。

2021/9/18
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