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 島根原発2号機(松江市)が原子力規制委員会の審査に合格し、中国電力は地元の島根県などに再稼働への同意を要請した。これまでに合格した17基のうち、事故を起こした東京電力福島第1原発と同じ沸騰水型軽水炉は島根2号機を含む5基だが、同型の再稼働は進んでいない。審査中の原発の合格も当面見込めず、政府が掲げる電源比率の目標達成は依然、困難を極めている。

 ▽8年

 2013年7月の新規制基準施行後、16原発27基が再稼働に向けて審査を申請し、10原発17基が合格。北海道電力泊1~3号機、中部電力浜岡3、4号機(静岡県)など7原発10基が審査中だ。

 泊3号機の審査では、敷地内を走る断層の活動性が論点となり、決着に約8年を要した。活断層と認められれば再稼働は難しくなっていたが、規制委が今年7月、「活断層ではない」との北海道電の主張を了承。審査は大きなハードルを越えた。

 このため泊3号機は次の合格に最も近いと目される。ただ、北海道電は液状化対策が不十分なことから防潮堤を造り直すとしており、構造や設計の審査に時間がかかる見通しだ。

 ▽横一線

 残りの原発もそれぞれに課題を抱えている。

 浜岡3、4号機は南海トラフ巨大地震の想定震源域に立地し、津波の評価が焦点。中部電は海抜22メートルの防潮堤を造ったが、津波の高さが22・5メートルになるとの試算もあり、慎重な審査が続く。

 北陸電力志賀2号機(石川県)は敷地内断層を巡る議論が続いており、東北電力東通1号機(青森県)、電源開発大間(同)もほぼ横一線。泊1、2号機と島根3号機は、それぞれ他号機の審査を優先させたためほとんど進んでいない。

 原子炉建屋直下の断層の活動性にかかわる審査資料を不適切に書き換えたことが判明した日本原子力発電敦賀2号機(福井県)は「論外」(規制委関係者)だ。

 ▽足踏み

 政府は、30年度の電源構成に占める原発の割合を20~22%とする目標を維持したまま、新しいエネルギー基本計画を近く決定する。目標達成には30基程度を再稼働させる必要があるが、これまでに再稼働したのはいずれも加圧水型の10基。目標に近づけるには沸騰水型の再稼働が欠かせないが、島根2号機以前に合格した同型の再稼働は足踏みが続く。

 東京電力柏崎刈羽6、7号機(新潟県)は今年、テロ対策などの核物質防護不備が判明、規制委から事実上の運転禁止を命じられ、再稼働は当面不可能に。原電東海第2(茨城県)は、水戸地裁が3月、「実現可能な避難計画や防災体制が整えられているというにはほど遠い」として、運転を認めない判決を出した。事故時の住民避難計画が必要な30キロ圏に約94万人が居住する中、自治体の計画作りも難航する。東北電女川2号機(宮城県)は、再稼働への地元同意を得たものの防潮堤などの安全対策工事に時間がかかっている。

 こうした状況に、経済産業省幹部は「島根が動けばでかい。このまま島根3号機までいきたい」と勢いづく。ただ中国電は、今後も工事計画など、残る2号機の審査手続きに注力する構えで、再稼働には立地自治体以外の鳥取県などの動向も無視できない。

2021/9/16
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