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侮辱罪 厳罰、効果は限定的か
 識者「地道な啓発必要」
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 閣議後、記者会見する上川法相=14日午前、法務省
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 閣議後、記者会見する上川法相=14日午前、法務省

 閣議後、記者会見する上川法相=14日午前、法務省

 閣議後、記者会見する上川法相=14日午前、法務省

 社会問題化しているインターネット上での誹謗中傷に対応するため、侮辱罪が厳罰化される見通しとなった。上川陽子法相が14日、法制審議会への諮問を表明。ネットが存在しなかった明治以来の規定が見直される。公訴時効も長くなるため、加害者の責任逃れを防ぐ期待が高まる一方、効果は限定的で「特効薬」とはならないとの見方も。専門家は、地道な啓発活動が必要と指摘する。

 ▽一歩

 契機となったのは、フジテレビのリアリティー番組「テラスハウス」に出演し、会員制交流サイト(SNS)で中傷を受けたプロレスラー木村花さん=当時(22)=の昨年5月の死去。母響子さん(44)は3日、オンラインの記者会見で、厳罰化について「一歩進んだのはありがたいが、命を落としたり仕事ができなくなったりという被害の重さを考えると、まだ軽い」と心境を吐露。「これで終わりではなく、始まりとしていろいろな働き掛けをしていく」と力強く語った。

 ▽時間の壁

 公訴時効の期間は、法定刑の重さに応じて規定されている。法相の諮問通りに侮辱罪の法定刑が「1年以下の懲役・禁錮または30万円以下の罰金」と重くなった場合、公訴時効は現状の1年から3年に延びる。

 花さんの事件では、警視庁がSNSで中傷した福井県の男性を侮辱容疑で書類送検したのは公訴時効の2日前だった。立件が間に合わなかった投稿者も多くいたとみられるだけに、時効延長を歓迎する向きもある。ただ、響子さんは「被害届の受理から警察による聞き取りまで、すごく時間が空いた。時効が延びても、被害者が待たされるだけにならないか不安」と明かす。

 ▽根絶

 文部科学省の調査では、パソコンや携帯電話などを用いた中傷の件数は2019年度、1万7924件。5年前の7898件の2倍以上になった。法務省によると、昨年、ネットを使った人権侵害に対し、被害者らの申告を受けてプロバイダーなどに削除を要請したのは過去最多の578件に上った。

 中傷が増え続ける現状では、厳罰の効果は限定的との見方もある。ネット問題に詳しい弁護士は「抑止力にはなるが、十分ではない。根本的な解決を目指すには教育や講演などを通して啓発を続けるしかない」と話す。

 藤川大祐千葉大教授(教育方法学)は「ネットによる中傷は子どもより大人が深刻だが、子ども段階からの教育は重要」と指摘。その上で「周りの空気に乗って批判することが、自分が思うよりも相手を傷つけ、さらに訴えられて責任を取らされるということを、多くの人が理解する必要がある」と話した。

2021/9/15
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