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行動制限緩和 出口戦略、成果急ぐ
 経済に光明も課題多く
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 行動制限緩和に向けた想定されるスケジュール  4回目の緊急事態宣言の発令日を迎えた東京・新橋の飲食店街=7月
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 行動制限緩和に向けた想定されるスケジュール

 4回目の緊急事態宣言の発令日を迎えた東京・新橋の飲食店街=7月

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 行動制限緩和に向けた想定されるスケジュール  4回目の緊急事態宣言の発令日を迎えた東京・新橋の飲食店街=7月

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 政府は新型コロナウイルスのワクチン接種進展を見越した社会経済活動の再開方針を打ち出した。感染症の専門家に慎重姿勢が根強い中、「出口戦略」を最後の成果としたい菅義偉首相の意向が前面に出た形だ。営業制限の打撃が長期化している飲食店などには光明となるが、接種証明の扱いといった難しい課題も横たわる。

 ▽もろ刃の剣

 「社会経済活動の正常化に道筋を付けていく」。菅首相は9日の政府対策本部で、11月ごろをめどに飲食や旅行など幅広く制限を緩める方針を明言。首相周辺は「希望する全国民にワクチンが行き渡る前に、経済が再開した姿を明示することが菅政権の責任だ」と代弁した。

 退陣前に、経済再開へめどを付けたとの成果を残したい首相の意向が色濃く反映したが、制限緩和はやり方を誤れば感染拡大を再び引き起こしかねない「もろ刃の剣」でもある。官邸筋は「首相が示した緩和案は、あくまで骨格。次期政権がより具体的な提案をすることになる」と語る。

 ただ、政府方針に盛り込まれた緊急事態宣言下でも飲食店の酒類提供を認める方針は、決定に先立って政府分科会の感染症専門家がまとめた提言には含まれていなかった。分科会の尾身茂会長は9日に「間違ったメッセージが出ると混乱する」と懸念を示し、実証実験目的以外での酒類提供の緩和はないと政府側に確認したとも語った。

 別の分科会メンバーも「現状では新型コロナ治療が他の医療も圧迫する恐れがある」と、病床確保が十分ではない中での前のめりな議論に疑問を呈する。海外では多くの人が接種を完了した国でも感染が増えていることを挙げ「2回接種が終わったら制限を取り払うという対応が取れないのは明らかだ」と訴えた。

 ▽現場に負担

 自粛や営業制限の長期化に苦しむ業界からは政府方針に歓迎の声が上がる。経済界は制限緩和を強く要望してきただけに、航空大手の社員は「明るいニュースだ。接種を終えた人からどんどん経済を回していく形になってほしい」と話す。経済同友会の新浪剛史副代表幹事は9日のセミナーで「なぜ2カ月後なのか」と早急な緩和を訴えた。

 一方で、想定通りに感染が抑えられ制限を緩和できる環境になった場合でも、利用客へのワクチン接種の確認方法などさまざまな課題がある。鉄道会社の関係者は「特急列車の乗客に駅員が『移動先は県外ですか、それとも県内ですか』と聞いて接種歴の提示を求めるようなことは、今の人員態勢では無理だ」と断言。「どのように運用するか、可能性について社内で検討している段階にすぎない」と明かす。

 東京都内の飲食店主も「接種証明がないから大勢で来ないでくれと常連客には言いにくい。対応の負担が現場にかかりそうだ」と漏らした。

 ▽制度設計

 家電量販大手ノジマでは既に、2回接種を済ませた従業員らに「接種済」のシールを配布し、名札に付けて接客する取り組みを続けている。広報担当者は「ワクチンの効果が定まっていない中、従業員に対して義務化しないなど運用面に最も気を使った」と説明する。

 制限が緩和された後には、接種の有無が社会経済活動の幅広い場面に影響することも考えられ、専修大の山田健太教授(言論法)は「同調圧力が原因で、ワクチン接種の任意性が脅かされる可能性がある」と指摘。京都大の児玉聡准教授(倫理学)は「弊害をできるだけ小さくすることが重要で、多くの人の意見を聞きながら制度設計を工夫してほしい」と求めた。

2021/9/10
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