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 IR整備を巡るスケジュール
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 IR整備を巡るスケジュール

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 衆院議員秋元司被告が実刑判決を受ける汚職の舞台となったカジノを含む統合型リゾート施設(IR)は、事件後も悪材料が尽きない。新型コロナウイルス感染症の流行で海外企業が相次いで撤退、有力な候補地だった横浜市は誘致を取りやめることになった。「経済の起爆剤」と旗を振ってきた菅義偉首相の退場で、政府内の推進力も失われそうだ。

 ▽利権の闇

 「IR事業を所管する中央官庁の要職にありながら特定の企業と癒着し、社会一般の信頼を大きく損なった」。7日の判決はIR担当の内閣府副大臣も務めた秋元被告を批判。ただ政府は個人の問題として逃げ切りたい考えで、赤羽一嘉国土交通相は記者会見で「法律に基づき着々と必要な準備を進める」と語った。

 秋元被告が逮捕されたのは安倍政権下の2019年12月。当時、官房長官だった菅氏は「日本が観光立国を目指す上で(IRは)必要だ」と強気のままで、スケジュールは変えないとしていた。

 しかしギャンブル依存症誘発など国民の反対論が再燃し、野党は「カジノ利権の深い闇」と追及を拡大。国会審議への影響を懸念した政府は20年1月、整備地域選定に関する基本方針の決定を先送りし、業者との接触ルールなど不正防止策を定めることを決めた。

 そこへ広がったのが新型コロナだ。参入が見込まれる海外企業の業績が急激に悪化し、米カジノ大手のラスベガス・サンズなどが撤退。国の基本方針決定は20年12月に遅れ、早ければ20年代半ばとしていた開業目標は20年代後半に修正された。

 ▽かなり痛い

 マイナス材料は自治体からも飛び出した。8月の横浜市長選で反対派の山中竹春氏が当選、9月中に誘致撤回宣言を出す意向だ。訪日客が集まる首都圏唯一の候補だっただけに、政府関係者は「横浜が消えるのは、かなり痛い」と漏らす。

 地元市長選で敗れ、混迷の末に退陣を選んだ菅首相は、安倍晋三前首相と二人三脚でIR実現にまい進した。関連法成立のため、ギャンブル依存症などを懸念して慎重論が根強かった公明党に、官邸から働き掛けたこともあった。

 政府は10月1日から自治体と事業者の計画申請を受け付けるが、安倍、菅両氏に代わってリードする人物は見当たらず、自民党関係者は「熱が冷めかねない」と危ぶむ。

 ▽厳格に審査

 誘致に名乗りを上げているのは3地域。和歌山県は事業者としてカナダのグループを選定、大阪府・市は唯一応募した米大手を含む共同体に事実上決めた。長崎県はオーストリア政府系グループと基本協定を結び、リゾート施設「ハウステンボス」の敷地に整備する。県担当者は7日「粛々と計画を磨き上げるだけ」と話した。

 3地域以外は盛り上がりに欠ける。北海道と千葉市は誘致を見送り、名古屋市は検討段階の域を出ていない。横浜撤退で注目が集まる東京都は、メリット、デメリットを総合的に判断するとしてきたが「コロナに総力戦で当たるため、検討作業は休止している」(小池百合子知事)。

 計画申請期限は来年4月28日。その後、国交省の有識者委員会が経済波及効果や依存症対策などを審査する。赤羽国交相は「日本初の試みなので厳格に審査される。適切な計画が一つしかなければ、一つしか選ばれない」と説明するが、官邸筋は「コロナ禍で海外事業者は十分な国内調査ができていない。実効性の高い計画が出てくるかどうか疑問だ」と、不安を打ち明けた。

2021/9/8
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