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長谷川均さん
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 兵庫県の東播地域で暮らすかこじぃ(80)とかこばぁ(74)が認知症の介護について調べていると、「ユマニチュード」という言葉を耳にした。誰にでもできる介護の技法らしい。介護者たちの集いなどでよく紹介している特別養護老人ホーム常寿園(高砂市北浜町牛谷)施設長の長谷川均さん(47)に、教えてもらった。

 かこばぁ:聞き慣れない言葉だわ。どんなことをするのかしら。

 長谷川さん:フランス人によって開発された技法で、日本に導入されたのは2012年です。「見る」「話す」「触れる」「立つ」の四つの基本動作があります。

 「見る」は目線を合わせて5秒以上見つめ、平等な関係や誠実さを伝えます。「話す」は愛情を持ってゆっくりと穏やかな声を心掛けます。「触れる」は優しく包み込むようにして安心感を与えます。「立つ」は認知症の人がベッドや車いすから立ち上がって本来の高さを認識すれば、いろんな情報が入り、意識レベルが高まります。

 かこじぃ:どのあたりがいい介護につながるんじゃ?

 長谷川さん:「話す」だと、介護者はそんなつもりはなくても、受ける側は命令されている印象を受けることがあります。嫌な感情が残ると、次に会うことを嫌がり、介護を拒否されてしまいます。耳が遠くても大きな声ではなく、ゆっくりと低めの声で話そうとすると聞こうとしてくれます。

 介護の基本に「腕上げますね」など行動の実況中継があります。無言だと「存在していない」「怒られている」という感情が生まれます。「便が出て良かったね」「また来るね」と前向きな言葉が大事です。

 かこじぃ:四つの基本を気を付けるだけでええんじゃろか?

 長谷川さん:実際の介護ではさらに五つのステップがあります。「出会いの準備」としてドアを3回ノックして返事がなければ3秒待って、再び3回ノックします。「あなたに会うために来た」ということをアピールする「ケアの準備」、続いて大切に思っているという気持ちを伝え続ける「知覚の連結」、ケアを心地よいものとして記憶してもらう「感情の固定」があります。それぞれの段階で「見る」「話す」「触れる」を使います。「再会の約束」で次の介護へとつなげます。

 かこばぁ:今までの介護のやり方とどう違うのかしら。

 長谷川さん:「5秒見つめる」「3回ノック」など、行動が具体的に説明されている点が他の技法とは違います。行動の実況中継は、愛情を伝える意味までは込めてなかったかもしれません。「見る」に「平等ですよ」という思いを伝えるという点も、そうですね。認知症の人の感情が穏やかになり、ケアがスムーズになります。

 かこじぃ:長谷川さんの施設でも取り入れているんじゃろか?

 長谷川さん:まだ勉強を進めている段階です。形だけでなく、理念を理解して取り組まなければいけません。リーダーの職員が導入し、広がっていけばいいと思います。うまくケアできれば、介護のモチベーション(意欲)につながります。在宅でも家族の負担が少しでも減ればと思って、勉強会などで紹介しています。(まとめ・若林幹夫)

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