男児の鼻をつまんで無病息災を願う神事「なんなる」が3日、兵庫県高砂市北浜町西浜の大歳神社であった。西浜地区の2人が参加し、両親ら家族が笑顔で見守る中、大きな泣き声を響かせていた。
同地区で前年に生まれた男児を対象に、毎年1月3日に行われている。
かつて村に生まれた子どもが神隠しに遭ったため、泣き声を神様に聞かせて守ってもらおうとしたことが始まりとされる。「なんなる」の語源は、鳴神神道の「なるかみ」が派生したとされ、「難がなくなる」がなまったとの説もある。
同神社を受け持つ大塩天満宮(姫路市)の宮司が、新型コロナウイルス対策でビニール手袋を着け、男児の鼻へ手を伸ばした。平然としていた子も、金幣と呼ばれる神具を鳴らしながらつままれ続けると、顔をゆがませて泣いていた。
井上翔太さん(31)、遥さん(27)夫妻は、三男を連れて訪れた。翔太さんは「普段からあまり泣かない子なので少し時間がかかった。元気な子に育ってほしい」と話した。(斉藤正志)
