兵庫県加古川市尾上町長田の尾上神社が、参拝の証しとして授ける「御朱印」の新年版を300枚作製した。元日から朱印を求める参拝客に先着順で配る。同神社では通常、朱印状に1人ずつ墨書しているが、例年三が日は列が絶えないという。このため、新年は新型コロナウイルス感染症対策で密集にならないよう、あらかじめ用意することにした。
同神社は、謡曲「高砂」に謡われた「尾上の松」が境内にあることで知られる。根元近くからアカマツとクロマツが枝分かれする相生の松で、新年版の御朱印には、松と夫婦和合の象徴「尉(じょう)と姥(うば)」を組み合わせた図柄「高砂」をあしらい、コロナ収束への願いを込めて疫病よけの妖怪「アマビエ」のイラストも添えた。
同神社は元日以降、ちょうずのひしゃくは撤去し、拝殿の鈴を鳴らす鈴緒(すずお)は、効果が持続する除菌液を散布するなどして初詣客を迎える。好崎泰州(よしざき・ひろくに)宮司(65)は「できるだけ普段と同じように参拝してもらいたい」と話す。御朱印は初穂料500円。同神社TEL079・422・5676
(若林幹夫)
