神戸松蔭女子学院大(神戸市灘区)の学生5人が、兵庫県加古川市平岡町中野、機械メーカー「滝川工業」新社屋の玄関ホールをデザインした。製品のイメージから幾何学模様の金属パネルをあしらい、ホールの柱に巻き付く形のベンチには赤、白、青のシートを付けた。依頼した瀧川松平社長(41)は「女子学生らしくカラフルな楽しいデザインになった。お客さんに自慢できます」と喜ぶ。(笠原次郎)
瀧川社長が昨年2月、県内の経済人らでつくる会員制の「兵庫倶楽部」(神戸市中央区)で、同大人間科学部の米原慶子准教授による講演を聴いたのがきっかけ。教え子のファッション・ハウジングデザイン学科の学生が街中の空間デザインを提案していると聞き、2018年5月に建てた新社屋の玄関を来客に印象付けようと頼んだ。
学生は昨年5月、まず工場の内部を見学。金属加工の高い技術力を生かし、顧客の要望に応じて産業機械を製造している状況から、企業イメージを膨らませた。瀧川社長や社員からは「会社の特徴が分かるように」との要望があり、アルミやステンレスなどの金属を加工して壁面パネルやオブジェなどを作ることが決まった。
学生のデザインを基に社員らが約950万円かけ、金属で社章を題材にしたオブジェなどを制作。今年10月に全作品が完成した。4年の池野真由さん(21)=加古川市=は、光をイメージしたステンレス製のラインを正面の壁にデザインし、「採用されるまでたくさんのデザインパターンを考えたかいがあった。自分の思い描いたものが形になってうれしい」と話す。
