秋季全国火災予防運動が始まった9日、兵庫県加古川市加古川町北在家の古刹(こさつ)、鶴林寺で、同市中央消防署の署員らが防火設備を査察した。国宝の本堂や太子堂などで、関西電気保安協会加古川営業所の職員が漏電の危険性の有無を確かめた。
査察は毎年実施している。浄心院などの火災受信機が正常に作動しているかを署員が確認。同協会の職員が分電盤を開け、ブレーカーを落として測定器で漏電がないかを調べた。
県指定文化財の仁王門や三重塔なども巡回。本堂でビニール製の配線がねじれていることなどを指摘していた。
同寺は、昨年の首里城(那覇市)の火災を受けて、国の補助金で煙感知器を本堂に設置し、境内に消火栓を増設する。茂渡俊慶(しげとしゅんけい)住職(59)は「首里城の火災もあり、普段からの点検は何度しても十分ではないと感じている。今回、大きな欠陥や損傷がなくてほっとしたが、これからも点検や訓練を続けたい」と話した。(斉藤正志)
