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食糧支援の様子を伝える写真を手にする大西登志子さん=加古川市
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食糧支援の様子を伝える写真を手にする大西登志子さん=加古川市

 バングラデシュの教育を支援する市民グループ「ワンドロップ」が、新型コロナウイルスの影響で困窮する子らへの食糧援助を続けている。日本で寄付金を集めて現地の協力者に配布を依頼し、4月以降に6回実施。渡航制限で直接顔を見られないもどかしさを募らせながらも「こんな時だからこそ、日本にいてできることを」と決意を新たにする。(吉田敦史)

 グループは、元中学教員の大西登志子さん(69)=兵庫県加古川市=が、物乞いをする学齢期の子どもを見て「貧困の連鎖を断ち切るのは教育。楽しく学べる学校を造ろう」と2010年末に結成。現地の実業家タリク・マジュンダーさんらと協力して16年1月、同国東部のコミラに私設の「マジュンダーワンドロップ小学校」を開校した。毎年20人の1年生が入学し、今年で全5学年がそろった。平屋だった校舎は少しずつ増築され3階建てになった。

 同校の運営を支援する大西さんらは、学用品代や教師の給料など学びに直接関わる費用だけでなく、昼食の費用確保に努めてきた。暮らしのため子どもを働かせたがる親たちも、昼食が出るなら学校に通わせようと考えるという。十分な食事を確保できない子どももおり、学校での食事が貴重な栄養源になっていた。

 新型コロナの影響で同国の学校は3月から休校。親たちは仕事を失い、子どもはより厳しい状況に置かれているという。

 危惧した大西さんが日本の支援者らに緊急食糧支援を呼び掛けたところ、多くの人から寄付が集まり、4月23日、第1回の食糧配布をした。タリクさんが米やジャガイモ、豆などを袋に入れて配った。現地から送られてくる写真の子どもたちは、やせ細って以前のような笑顔はなく、悲しげに見えた。

 6回目は8月2日、イスラム教のイード・アルアドハー(犠牲祭)期間に行われた。牛をさばいて分け合う風習があることから、タリクさんは「めったに食べられない牛肉を家族で食べさせてあげたい」と牛1頭の支援を提案。校庭で牛肉を分配すると、子どもたちに笑顔が戻ったという。

 家計を支えるため働く児童もいる。日雇いの仕事に出る4、5年生の男子。メイドとして働く女子。「学校が再開されても戻れない児童がいるだろう」とタリクさんが伝える現実は重い。大西さんは「新型コロナが子どもたちの将来に深刻な影響を与えている」と悔しがる。

 グループの名前は故マザー・テレサの言葉に由来する。「私たちの活動は大海の一滴(ワンドロップ)にすぎないかもしれない。でも、もしこの活動がなければ大海は一滴分小さくなるだろう」。同グループは、30日まで小野市立図書館(同市中島町)で活動報告写真展を開いている。

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