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被験者にヒメクロモジ精油入りのオイルを塗るデイサービス施設の職員=丹波市柏原町挙田
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被験者にヒメクロモジ精油入りのオイルを塗るデイサービス施設の職員=丹波市柏原町挙田
ヒメクロモジ精油をブレンドしたオイル(左)と対照実験で使うオイル=丹波市柏原町挙田
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ヒメクロモジ精油をブレンドしたオイル(左)と対照実験で使うオイル=丹波市柏原町挙田

 兵庫県丹波市柏原町挙田のデイサービス施設「すみれ」で、同市産の樹木「ヒメクロモジ」の精油を使ったアロマセラピーを要介護高齢者に施し、ストレス量の変化や認知機能への影響を検証する実験が行われている。ローズマリーやラベンダー精油での類似研究は国内外で報告されているが、ヒメクロモジでの実験は珍しいといい、関係者は「ヒメクロモジ精油の有用性を探る第一歩の研究になる」と語る。(真鍋 愛)

 実験を統括するのは、日本園芸療法学会認定の上級園芸療法士、菊川裕幸さん(31)=丹波市教育委員会文化財課職員。アロマセラピーの認知症予防、改善作用に関する研究は国内外で行われているが、日本の植物が原料の「和精油」を使う事例は「他にはないのでは」という。

 使用する精油は、同市氷上町葛野地区に自生するヒメクロモジが原料の商品「KOHARU ORGANIC(コハル オーガニック)姫黒文字」。清涼感の中に漂うほのかな甘い香りが特徴で、通所介護施設などを運営するかどの(同市氷上町上新庄)が昨年9月に発売した。アロマセラピーでは、精油を植物性の「ファーナスオイル」で1%に希釈したブレンドオイルを被験者に塗布する。

 ヒメクロモジ精油の有意性は、唾液に含まれ、「ストレスホルモン」ともいわれるコルチゾールの値や血圧のほか、脈拍や会話量、皮膚温度などから、幸せや怒りといった感情を定量化する端末のデータを用い、検証を試みる。認知症診断に使われる「ミニメンタルステート検査(MMSE-J)」も数回行い、認知機能の変化をみる。

 実験は、精油が入っていないファーナスオイルを使った対照実験から始まる。被験者は、同施設を利用する男女10人。いずれも要介護2から3の認定を受けており、認知機能の低下がみられるという。

 被験者は施設利用日の午後2時ごろ、血圧測定と唾液の採取を受け、端末を手首に装着。職員からファーナスオイルを両肩に塗ってもらい、塗り絵や折り紙などのレクリエーションを約30分行って脳に負荷を与える。レクリエーション後に再び唾液採取、血圧測定を受け、端末を外す。

 対照実験を週2回、2週間行った後は、精油入りのブレンドオイルを使った実験に移行。対照実験と同じく週2回、2週間実施する。手順は同じだが、被験者は精油を染み込ませたハンドタオルを常に持ち歩き、施設の外でもヒメクロモジの香りに親しむ。

 ブレンドオイルの実験後は2週間の「ウォッシュアウト」期間を設け、アロマの効果をリセット。再び対照実験、ブレンドオイルの実験を行う。

 同施設の久下松代代表取締役(58)は「実験が始まってから、大声を出すなどの回数が減った人もいる。利用者を介して香りに接する家族も、リラックス効果を感じている印象がある」と話す。

 菊川さんは「今回の研究は、精油にリラックス効果や認知機能に影響を及ぼす効能があるかを見極める試行的なもの」と前置きした上で、「国内の山地に広く分布するヒメクロモジの精油に有意性が認められれば、将来的に身近な植物で、認知症予防や改善のレクリエーションができるようになる可能性もある」と期待を寄せる。

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