
東京五輪柔道女子52キロ級代表の阿部詩(日体大、夙川高出)が、グランドスラム(GS)タシケント大会の優勝から一夜明けた6日、報道陣のオンライン取材に応じた。コロナ禍や右肩痛を経て1年ぶりとなった実戦を「内容は満足いかないが、試合ができる喜びと課題を見つけた。オリンピックに向けてさらに強くなれる」と振り返った。
世界選手権2連覇中の20歳は今回、「徹底して研究されている」と実感したという。組み手や担ぎ技を警戒される中、準々決勝では小外刈り、準決勝では関節技と、新境地を示した。準決勝までの全3戦を一本勝ちし、決勝は不戦勝だった。
本人としては不完全燃焼で「少しびびってしまう部分があった。すっきり投げて勝つことができず悔しい」と明かした。
兄で東京五輪男子66キロ級代表の阿部一二三(パーク24、神港学園高出身)からは試合前、「自分を信じて頑張れ」と励まされた。世界中の選手からマークされるのは、元世界王者の兄も経験済み。妹は「それを乗り越えた兄と、一緒の道を進んでいると思う。自分も壁を乗り越えたい」と前を向いた。(藤村有希子)
