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14年ぶり4度目の優勝を果たした兵庫のアンカー福田有以=2018年1月14日、京都市の西京極陸上競技場
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14年ぶり4度目の優勝を果たした兵庫のアンカー福田有以=2018年1月14日、京都市の西京極陸上競技場
2位でフィニッシュする兵庫のアンカーで北京五輪代表の小林祐梨子=2013年1月13日、京都市の西京極陸上競技場
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2位でフィニッシュする兵庫のアンカーで北京五輪代表の小林祐梨子=2013年1月13日、京都市の西京極陸上競技場
初の連覇を達成した兵庫のアンカー川島亜希子=2004年1月11日、西宮市の西京極陸上競技場
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初の連覇を達成した兵庫のアンカー川島亜希子=2004年1月11日、西宮市の西京極陸上競技場
悲願の初優勝のテープを切る兵庫のアンカー小崎まり=2001年1月14日、京都市の西京極陸上競技場
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悲願の初優勝のテープを切る兵庫のアンカー小崎まり=2001年1月14日、京都市の西京極陸上競技場

 1983(昭和58)年に創設され、京都を舞台に数々の名勝負が繰り広げられてきた全国都道府県対抗女子駅伝。兵庫代表は昨年の第38回大会までに優勝4度、入賞31度と抜群の成績を残してきた。阪神・淡路大震災の前日、1995年1月16日のレースで過去最低の25位に沈み、全国からの支援に感謝の気持ちを示して臨んだ翌年の大会で5位入賞を果たしたことも、その後の躍進の原動力となった。今年の大会は新型コロナウイルスの感染拡大に伴い中止となったが、ナンバーカード「28」を胸に、都大路を疾駆してきた兵庫代表の軌跡をたどった。(大原篤也)

■若い力で入賞の常連に

 42・195キロを9人で継走するレース。第1回大会の兵庫は2時間30分15秒で優勝した千葉と1分13秒差の3位だった。「中学生区間」がなかった時代。1区(6キロ)は加古川市立浜の宮中2年の福山つぐみ(現姓樽本=現兵庫大女子駅伝部監督)が担い、トップと20秒差の2位でつないで周囲を驚かせた。

 翌年も3位に入ったほか、10位以内が入賞だった第10回大会まで、入賞圏外となったのは第5回大会(15位)と第8回大会(12位)のみ。中学、高校生を中心とした若い力で躍進を続けた。

■95年にワースト25位

 93年の第11回大会からは雲行きが怪しくなる。実業団のレベルアップなどで全国的に女性ランナーの強化が進む中で同年は23位。翌年も17位に終わると、95年は25位に沈んだ。これは現在も兵庫のワースト順位として残っている。

 中学、高校の有力ランナーは豊富だったが、卒業後は県外の実業団などに進み、94年に導入された出身地などからエントリーできる「ふるさと制度」もうまく活用できなかった。「お世話になっている企業の地元から走ってほしいと言われているのに、兵庫が『帰ってきて』とは言えない」と当時の兵庫陸協関係者。強豪県だからこその悩みもあった。

 95年のレース翌朝には阪神・淡路大震災が発生した。不振の対応策を練る余裕もないまま、兵庫の女子長距離界は深刻な事態を迎えていた。

■感謝のたすきリレー

 青い鉢巻きに「愛をありがとう」の言葉。ユニホームに「兵庫 頑張ってます!!」のワッペン。震災後に全国から寄せられた多くの支援に感謝の気持ちを伝えようと乗り込んだ96年の大会で、兵庫は「これぞ駅伝」というレースを披露した。

 1区30位のスタートから反撃を開始。じわじわと追い上げ、誰も順位を落とさずに5位入賞を果たした。兵庫に拠点を置く実業団のノーリツとダイワハウスから3人が出走。メンバー全員が兵庫出身だった。

 順位やタイムにこだわらず、「走る喜び」を改めて感じたレースは、兵庫復権のきっかけとなった。同年から4年連続入賞。2000年の12位を経て、兵庫は黄金時代を迎えることになる。

■名実とも「駅伝王国」に

 01年の第19回大会。兵庫は1区6位発進で入賞圏内につけると、2区以降もトップ集団を追撃した。6区で首位に躍り出て、そのまま後続を突き放して2時間17分57秒でフィニッシュ。2位千葉に1分32秒差をつけ悲願の初優勝を飾った。

 9区の小崎まり(ノーリツ)を除く8人は須磨学園高の卒業生と現役、そして将来的に入学する中学生。兵庫の低迷期に当たる93年に初めて全国高校駅伝に出場した同校は、兵庫のレベルアップに欠かせない存在となった。

 翌年は8位にとどまったが、03年と04年に初の2連覇を達成。4年間で計3度の優勝を遂げ、兵庫は名実ともに「駅伝王国」としての地位を確立した。

■中盤からの逆襲がお家芸

 「目標は入賞。タイミングが合った年に優勝を狙えれば」。いい意味で肩の力が抜けた兵庫は初優勝した01年以降、20年連続で1桁順位をキープするなど抜群の安定感を誇る。8位入賞を逃したのは11年の9位のみ。18年には14年ぶりの頂点に返り咲いた。

 9区間中、1区の区間賞獲得者はおらず、最長10キロのアンカーで区間賞に輝いたのは05年の加納由理(当時資生堂、須磨学園高出身)のみ。一方で折り返し後、復路のスタートとなる6区(4・0875キロ)、アンカーにつなぐ8区(3キロ)の区間賞獲得者はともに8人と最多。兵庫は飛び抜けたエースに頼らず、分厚い選手層を武器に中盤区間から逆襲に転じるのがお家芸だ。

■全国都道府県対抗女子駅伝の兵庫代表全成績

第1回 (1983)3位 2・30・15

第2回 (1984)3位 2・29・8

第3回 (1985)7位 2・29・57

第4回 (1986)9位 2・27・44

第5回 (1987)15位2・27・54

第6回 (1988)7位 2・24・23

第7回 (1989)9位 2・23・44

第8回 (1990)12位2・24・4

第9回 (1991)9位 2・21・29

第10回(1992)5位 2・19・51

第11回(1993)23位2・25・47

第12回(1994)17位2・22・6

第13回(1995)25位2・24・0

第14回(1996)5位 2・19・58

第15回(1997)8位 2・18・57

第16回(1998)5位 2・19・11

第17回(1999)2位 2・18・25

第18回(2000)12位2・20・14

第19回(2001)1位 2・17・57

第20回(2002)8位 2・19・48

第21回(2003)1位 2・16・2

第22回(2004)1位 2・16・18

第23回(2005)2位 2・17・19

第24回(2006)5位 2・18・40

第25回(2007)3位 2・17・14

第26回(2008)2位 2・17・30

第27回(2009)3位 2・17・42

第28回(2010)4位 2・17・15

第29回(2011)9位 2・20・3

第30回(2012)4位 2・17・53

第31回(2013)2位 2・15・18

第32回(2014)6位 2・17・19

第33回(2015)3位 2・17・28

第34回(2016)2位 2・16・22

第35回(2017)8位 2・18・46

第36回(2018)1位 2・15・28

第37回(2019)4位 2・17・13

第38回(2020)6位 2・17・42

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