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棚に並ぶボトルを整理し、フル営業に備える福良早織さん=神戸市中央区中山手通1
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棚に並ぶボトルを整理し、フル営業に備える福良早織さん=神戸市中央区中山手通1
神戸新聞NEXT
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 兵庫県内で22日、新型コロナウイルス対策による飲食店への時短要請が全面解除される。県内全域で営業制限がなくなるのは約9カ月ぶりだ。「今年はまともに営業できた記憶がない」と嘆く飲食店主にとって、衆院選のさなかの通常営業再開になる。「本当に客は戻るのか」。新たな不安を候補者に伝えたいと願う。

■我慢の9カ月、政治の判断に右往左往/神戸のバー

 神戸・三宮の「バー コーヴォ」。4度目の緊急事態宣言が明けた1日以降、夕方から開店してみたが、客足はまばら。午後9時の閉店間際に駆け込む客が多かった。

 店主の福良早織さん(43)は「時短が明けたらお願いしますね」と、頭を下げてきた。「せっかく来てくれた人をなんで断らなあかんのって、もやもやした」

 神戸市では今年、1月12日に飲食店への時短要請が出て以来、緊急事態宣言とまん延防止等重点措置を繰り返した。4月以降は断続的に酒類の提供禁止も求められた。

 深夜が稼ぎ時のバーやスナックにとっては「『営業するな』と言われ続けたも同然」と福良さん。インターネットで他府県の動向をチェックした。和歌山県は、県内で飲食店での感染事例が全体の数%にとどまるため、今月1日以降は「感染防止の決め手になり得ない」と時短を要請しなかった。

 データに基づく政治の判断が生活に直結するのだと痛感した。

 協力金で、店はなんとか維持できた。だが「遅くまでお酒を飲む習慣が薄れたのでは」と不安がる。

 カウンターの棚には、約3カ月前に仕入れたラム酒のボトルが、ほぼ真っさらなまま並ぶ。脱サラ、修業をへて自分の店を持つ夢をかなえ、8年。

 「お酒がこんなに動かないのは初めて。止まった時間が今度こそ動きますように」

     ◇     ◇

■今の制度正しいのか、現場の声聞いて/中華料理店

 神戸・元町の広東料理店「群愛飯店本店」は、県の「対策適正店」の認証を受け、1日からほぼフル営業している。だが、店長の施(し)文雄さん(42)は「手放しでは喜べない」。

 心配なのが、最大10席の円卓が7台並ぶ2階。コロナ禍前は主に宴会で使われたが、県は22日以降も「1テーブル4人以内」の会食を求めるため、半分以上の椅子を間引く。満席になっても売り上げはいつもの4割程度だ。

 「テーブルって言ってもいろいろなんでちょっと考えてもらえないかな」。深いため息が漏れた。

 同店のように固定費がかさみ、間引く客席も多い中規模以上の店にとって、協力金は心もとなかった。

 同店の場合、直近の宣言下の1日の協力金は、コロナ禍前の1日平均売上高の4割だった。経費をまかなえず、「飲食の商売で一番やったらあかんこと」という、運転資金の借金をした。額は5千万円に上る。

 ここまで追い込んでおきながら、政治は真剣に向き合ってくれているのか。協力金の算出ルールで疑念が湧いた。

 試算の対象月が、宣言やまん延防止の切り替えの都合で、売り上げの多い8月だけ外れたからだ。県に相談すると、「よく言われますが、決まったことなので」とにべもない。「個別の事情に向き合おうとしない。補償は形式的、と思うしかなかった」

 店の外を、選挙カーが何度も行き交う。投票先を熟考するが、頭をよぎるのは与野党の公約や候補者の顔、主張よりも、「政治と国民の距離」だ。

 施さんは約1200店が加盟する県飲食業生活衛生同業組合の青年部会長。どの店も、消毒や換気、間仕切りなど、店側にできることは精いっぱいやっていることを知っている。

 「今の制度、対策が本当に正しいのか。現場の声をしっかり聞き、同じことの繰り返しに終止符を打ってほしい」と願う。(井上太郎)

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