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森田芳光監督(2004年頃、(c)ニューズ・コーポレイション)
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森田芳光監督(2004年頃、(c)ニューズ・コーポレイション)
「森田芳光全映画」(リトルモア)
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「森田芳光全映画」(リトルモア)
「森田を知らない若い世代が見ても発見があるはず」と話す三沢和子さん=大阪市内
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「森田を知らない若い世代が見ても発見があるはず」と話す三沢和子さん=大阪市内

 シリアスも喜劇もアイドルもミステリーも恋愛も…ジャンル映画の枠を超えながら61歳で亡くなった森田芳光監督の生誕70年、没後10年記念プロジェクト「森田芳光70祭」が始まった。映画のブルーレイ化、書籍出版、全国で回顧上映も行われる。森田監督の妻で映画プロデューサーの三沢和子さんが企画した。

 ブルーレイ化のきっかけは2016年、北京国際映画祭での特集上映。森田作品は毎回満席で、海外の関係者から「他の作品も上映したい」と求められ、三沢さんはフィルムで残されていた作品をデジタル化。モニター視聴のためのブルーレイディスクも制作した。

 ブルーレイボックスとして長編デビュー作「の・ようなもの」(1981年)から遺作「僕達急行 A列車で行こう」(2012年)まで、許諾が取れない「そろばんずく」(1986年)を除く26作を収録し、監督の命日12月20日に発売する。「後世に森田作品を残すことができる」と三沢さんは安堵(あんど)する。

 2018年には東京で森田監督の全作品上映イベントがあり、三沢さんとラジオパーソナリティー、ライムスター宇多丸さんのトークショーを書き起こして「キネマ旬報」に連載。これに今回、阪本順治監督や岩井俊二監督、豊川悦司さん、北川景子さんら50人余りの寄稿を加えて、「森田芳光全映画」(リトルモア刊)と題して出版した。三沢さんは「作品とのかかわり、受けた影響など、個人的な思いを寄せてくれた」と喜ぶ。

 あらためて見直した森田作品は「公開当時より面白く思えた」と三沢さん。「惜しみなくアイデアを投入し、終わると次は全く違うことをした」と振り返る。

 それぞれ時代の先取りだったことにも気付く。家族の多様化を描く「キッチン」(1989年)、パソコン通信の恋愛物語「(ハル)」(96年)は米映画「ユー・ガット・メール」に3年先んじた。

 映画評論家・映画監督の樋口尚文さんは「実験映画的センスと撮影所のプロのスキルが融合している。東京の花街育ちらしい粋な軽みに、新しがりの気風が加わり、モリタ流と呼ぶほかない表現の魅力が出来上がっている。今、見るべき映画」と評価する。

 大阪のシネ・リーブル梅田(TEL06・6440・5930)での特集上映は22日~11月11日、連日午後7時から。「の・ようなもの」「家族ゲーム」など計7作品。来年にはパリ、ニューヨークなど海外でも開催する。(片岡達美)

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