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年金の格差などについて語る社労士の金子友造さん=神戸市中央区磯上通8
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年金の格差などについて語る社労士の金子友造さん=神戸市中央区磯上通8

 31日に投開票される衆院選を前に、長引くコロナ禍で経済的に困窮した女性らが「もう一つの格差」の解消を求めている。現行の年金制度では正規雇用と非正規、会社員とフリーランスなどで受給できる額に差がある。9月の自民党総裁選で年金制度が論戦の焦点に急浮上したこともあり、当事者らは年金分野の政策論争に注目している。

 公的年金制度は「2階建て」と表現される。1階は20歳以上60歳未満の人が加入する「国民年金」、2階が会社員や公務員が加入する「厚生年金」。自営業やフリーランスらは「定年がなく、何歳まででも働ける」という前提で、一定の条件がなければ厚生年金には加入できない。

 「短時間労働や勤務先によって『厚生年金』に加入できないこともあり、パートやアルバイトなど非正規雇用の人が適用外になる割合が高い」。年金に詳しい特定社会保険労務士の金子友造さん(41)が説明する。

 例えば、数年間の契約で非正規を繰り返す女性は、昇進や昇給も望めないため、同世代の正規社員と比べてどんどん差が広がってしまう-と指摘。厚生年金の対象者を広げるための年金制度の改正が重ねられているものの、「まだ制度からこぼれている人は多い」とする。

     ◇

 「将来に不安しかないから、長生きしたくない」

 契約社員として働く兵庫県内の女性(43)が漏らした。20代後半から非正規職を転々としてきたが、40代からは年齢制限で求人も限られるように。現在は週に数回、大阪府内の卸業者で働く。

 会社は緊急事態宣言中、休業になる日も多かったが、休業手当の対象となったのは正社員のみ。会社側と交渉を重ね、途中から支払われることになったが、「格差を目の当たりにした」という。

 今の勤務先では厚生年金の対象ではなく、個人で資産を運用する「私的年金」にもリスクを恐れてなかなか踏み出せない。「幸せな老後が想像できません」

 県内に住むシングルマザーの女性(35)は「どんな働き方でも、しっかりとしたセーフティーネットを」と訴える。

 2年ほど前、発達障害の一種、自閉症スペクトラム障害(ASD)と診断された。発達障害の娘も抱え、医師からは求職を止められているという。

 離婚を機に2019年、実家に身を寄せた。元夫はうつ病を発症して以来無職で、援助は期待できない。

 昨年4月までは自宅でできる内職を続けてきたが、コロナ禍を理由に依頼が途絶えた。独学でデザインを勉強し、会員制交流サイト(SNS)で受注するフリーランスとして働く。

 ただ、月収は5万円に届かず、母親の年金や自身の障害年金などを合わせてやりくりする。障害年金は数年ごとに申請の更新が必要となる上、「いつ収入がゼロになるか分からない」。

 4歳になる娘はよく息子と間違われる。知人から譲り受けた男児用の古着を着ているから、だ。

 「母親失格ですかね」と力なく笑う。「投票には必ず行きます。今よりいい日本にしたいから」

(末永陽子)

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