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子どもたちに柔道を指導する山崎道洋さん=2011年、ブータン・ティンプー(山崎さん提供)
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子どもたちに柔道を指導する山崎道洋さん=2011年、ブータン・ティンプー(山崎さん提供)
ブータン柔道場のオンライン開所式に参加した(左から)山崎さん、神戸ブータン友好協会の市野和雄会長、山崎さんの父俊輔さん=神戸市東灘区の甲南大
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ブータン柔道場のオンライン開所式に参加した(左から)山崎さん、神戸ブータン友好協会の市野和雄会長、山崎さんの父俊輔さん=神戸市東灘区の甲南大

 ヒマラヤの王国ブータンで、11年前に兵庫県の柔道家らがまいた種が花を咲かせている。今夏、東京五輪の柔道に同国選手が大会史上初めて出場し、国内に本格的な柔道場も誕生。現地の関係者は「畳も柔道着もないところから始まった。今の発展はまるで映画のよう」と話す。(藤村有希子)

 九州とほぼ同じ面積に約77万人が暮らす小国で、柔道の普及が始まったのは2010年。首都ティンプーで私立の中高一貫校を営むカルマ・ドルジさんと片山理絵さん夫妻が、若者の薬物依存などを憂い「柔道を教えることで、誠実さや高潔さを持った子どもを育てられないか」と考えた。

 ただ、国内には柔道経験者が見当たらない。夫妻は日本の神戸ブータン友好協会を通じて指導者を探し、甲南大柔道部OBの山崎道洋さん(33)=兵庫県姫路市出身=にたどり着いた。

 山崎さんは愛知の強豪、大成中・高で活躍し、全国大会も経験。大学を卒業したばかりで海外留学にも関心があり、依頼を引き受けた。現地の学校で約3年間、子どもに基礎的な技術や礼儀作法を教えた。

 交流は広がり、12年には甲南大生を中心とした日本の学生選手らが現地に遠征。16年にはブータンの選手団が来日し、神戸の大会「KOBE自他共栄CUP学生大会」で腕を磨いた。

 そして21年、新型コロナウイルス禍による1年延期を経て、東京五輪が開かれた。柔道男子60キロ級に山崎さんのかつての教え子、ガワン・ナムゲル選手(22)が出場。初戦で敗れたが、聖地の日本武道館に歴史的な一歩を刻んだ。

 今年7月にはティンプーに国際規格の柔道場が完成した。日本政府の協力を受け、ブータン柔道協会が建設。このほど行われたオンライン開所式で、ナムゲル選手は両国の関係者らに感謝し「ブータンで柔道は未知のスポーツだったが、今では知る人が増えている。柔道の鍛錬を受ければ、心身が健康になる。今後も競技を広めたい」と語った。

 山崎さんは式典を終え「私の活動後も支援が続き、ブータンの柔道はすごいスピードで発展した。五輪出場の夢もかなえてくれてうれしい」と感慨深げに振り返った。

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