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 阪神・淡路大震災の被災者に国と自治体が貸し付けた「災害援護資金」について、神戸市は6日、未返済分の全709件(利息含め約11億5千万円)の返済を免除することを決めた。関連議案が同日、市会で可決された。同市以外で返済が残る兵庫県内10市は、いずれも「現時点では(同様の対応を)検討していない」としており、追随の動きは出ていない。(長谷部崇、金 旻革、三島大一郎)

 阪神・淡路の災害援護資金は、県内13市で計5万6422件約1309億円が貸し付けられた。神戸市分は計3万1672件約777億円に上った。

 経済状況の悪化や借り主の高齢化で次第に返済が滞る中、国は支払期限の延長や返済免除の対象を拡大。当初は、借り主の死亡などに限られていたが、国は2015年、自治体が支払い能力がないと判断した被災者の返済を免除する方針を提示した。19年の法改正では、低所得者や保証人にも対象を広げた。

 こうした中、同市は免除対象ではない行方不明者が多数に上るほか、業務コストがかさんでいたことなどから、回収の継続は困難と判断。返済に応じていない6人を除く全ての債権を放棄することを決めた。

 市福祉局の幹部は2日の市会委員会で「返済額は年々減り、完済が難しい人も多い。回収を続けるのは被災者の生活再建という当初の目的からも離れてくる」と説明。国に対してもできる限りの要望をしてきたとした上で、「震災から26年が経過し、ここで一区切り付けることが公正な対応と判断した」と述べた。財源は行財政改革などで捻出し、今後の予算編成から確保。早期の返済を目指すという。

 神戸市以外で、すでに返済を終えた姫路、三木市を除く10市では、3月末時点の未返済額が634件計約8億1200万円となっている。これらの市では原資の3分の2を兵庫県が国から借り受け、3分の1を上乗せして各市に分配。回収できなかった分は最終的に各市が全額を立て替えることになっている。

 神戸新聞社が各市に今後の対応を尋ねたところ、いずれも県に対する返済期限の23年3月までは少なくとも回収や返済免除の調査を続けるとしている。

 兵庫県の斎藤元彦知事は「(同資金の返済について)問題意識は持っている。県として今後どう対応するかは検討中だ」と述べた。阪神間の市や県などは、回収分のみを償還対象とするよう、制度の見直しを国に求めている。

【災害援護資金】災害弔慰金法に基づき、全半壊世帯などに最大350万円を貸し付ける制度。国が3分の2、都道府県または政令市が3分の1を負担し、市町村が貸し付け事務と回収を担う。阪神・淡路大震災での返済期限は10年だったが、国は2006年から5回にわたり延長を続けている。19年の法改正では、住民税などを除く年間所得が150万円未満、預貯金20万円以下などの要件を満たす借り主も返済免除の対象になった。

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