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東京五輪の開会式で打ち上がる花火(代表撮影)
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東京五輪の開会式で打ち上がる花火(代表撮影)
ドローンで表現された球(代表撮影)
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ドローンで表現された球(代表撮影)
開会式で行われたパフォーマンス(代表撮影)
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開会式で行われたパフォーマンス(代表撮影)
閉会式の様子(撮影・堀内翔)
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閉会式の様子(撮影・堀内翔)
閉会式で記念撮影する阿部詩(撮影・高部洋祐)
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閉会式で記念撮影する阿部詩(撮影・高部洋祐)

 コロナ禍で賛否が渦巻く中、1年の延期を経て開催された東京五輪が閉幕した。東京五輪・パラリンピック組織委員会の40代職員が神戸新聞の取材に応じ、相次ぐ方針転換に翻弄された現場の様子や、組織内から見た開閉会式の評価、膨れあがった開催費などについて明らかにした。

 -開閉会式の周囲の評判は。

 組織委内でも特に閉会式はひどすぎると話になった。演出は残念だった。多くの人に忖度しすぎた結果、子ども、若者、高齢者、被災地、医療従事者などいろいろ盛り込んでいったように感じた。

 開会式もドローンがなかったら厳しいものになっていた。しかし、ひとつ気になったのは、リハでは流れていた曲の歌詞をドローンで夜空に描き出す演出のようだったが、本番にはなぜかなかった。うまくいかなかったからやめたのか、失敗する可能性があったから安全策をとったのか。

 -ネットでは担当者の相次ぐ辞任・解任を受け、大ヒットした「マツケンサンバ」待望論があった。

 ネットでの盛り上がりは知っている。しかし、さすがに直前のあのタイミングで「マツケンサンバ」の話は聞かなかった。

 -式典に165億円かかったという話もある。

 165億円というが、1年の延期決定までに使っているお金が相当あるはずだ。その残りでやらなければいけない。そうした予算上のこともあっただろう。中から見れば事情も想像できるが、出来栄えは厳しいものに感じた。オリとパラの(開閉会式を合わせた)四式典で起承転結のストーリーだと聞いていたが、どう転結するだろうか。

 式典の正確な内容は組織委の中でもほとんどの人は当日まで分からない。演出チームの人や一握りの幹部以外には共有されていない。リークも多く、ごく限られた人しか知らされていない。ただ、組織にとって開閉会式は全体の一要素でしかない。翌日から本格的に競技が始まるという状況では、担当職員以外は見られたら見るという感じだった。

 -女性蔑視発言で2月に組織委会長を辞任した森喜朗元首相は、その後も力を持っていたのか。

 辞任してからは表には出ていないが、森さんは国に口を利ける人だったのでは。丸川珠代五輪相は不用心な発言が多すぎる。立場的に五輪を成功させなければならない人なのに、その発言によって五輪の開催を危うくしていった。彼女は期間中はいろいろな会場に来ていたようだ。彼女が来ると多くのSP(警護官)が付くからそれらの面倒を見なければならず、正直言って迷惑。単純に五輪を楽しんでいただけでは。

 -そもそも中止はありえたのか。

 組織委では中止論はなかった。むしろ観客を入れるための準備をしてきた。組織の中でも「無観客になるかも」という予測はあったが、まさかその判断が開会2週間前まで引っ張られるとは。

 これまでの準備を捨て、軌道修正していくのはきつかった。直前過ぎて無観客と言ってもお金の節約にもなっていない。例えば、弁当を発注しすぎたフードロス問題があったが、緊急の方針転換によって何人必要かなど明確に示せる人はいない。それでもみんな2週間で調整してきた。備品関係のキャンセル料は100%のことが多いし、チケット収入は入らないしで大赤字となる。返すだけでなく追加の支出も出てくる。観客用のチケットもすべて刷り終えていた。

 -組織委の内部では何が起きていた?

 これだけ批判されることが多いと自分たちで決めていこうという姿勢がなくなっていく。意思決定においては、外部有識者の委員会を立て専門家の意見を聞いて決めるようになった。批判されないことを第一に考えるようになった。とがったものは作りにくい組織になっていった。初期にエンブレムの盗作問題があった。あのあたりからすでに外部の人に決めてもらうという文化が生まれた。過去の組織委でそんなことをやっているところはないと思う。本来、職員は熱意とビジョンを持って仕事に取り組み、クリエーティブの力を信じてやっていくものだが、誰からも文句を言われないことを優先するようになっていったように感じる。誰もリーダーシップをとれない中で、周囲から熱意もビジョンもモチベーションもなくなっていくのを感じた。(三宅晃貴)

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