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厳重に区域分けされたコロナ病棟のレッドゾーン(感染区域)で作業する職員=12日午前11時40分、神戸市長田区一番町2、市立医療センター西市民病院
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厳重に区域分けされたコロナ病棟のレッドゾーン(感染区域)で作業する職員=12日午前11時40分、神戸市長田区一番町2、市立医療センター西市民病院
コロナ病棟から1日に出る大量の廃棄物=12日午後3時15分、神戸市長田区一番町2、市立医療センター西市民病院
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コロナ病棟から1日に出る大量の廃棄物=12日午後3時15分、神戸市長田区一番町2、市立医療センター西市民病院

 新型コロナウイルス中等症病院の神戸市立医療センター西市民病院(同市長田区)では、懸命のケアをする看護師が、生と死を分かつ場面に何度も直面していた。人工呼吸器をつける優先順位を決めなければならない日もある。取材した12日は、近代看護の創始者ナイチンゲール生誕にちなんだ「看護の日」だったが、コロナ病棟で働く看護師は「助けてほしい人がいるのに、助けてあげられないことがある」と語った。

 ホワイトボードに並ぶ入院患者の名に添えられた「フルコード(高度治療が必要)」「DNR(蘇生措置拒否)」の文字。この日、9階コロナ病棟は15床が満床。8階のコロナ病棟も、28床中21床が埋まっていた。2フロアの計36人は30代から90代で、フルコードはそのうち12人だった。

 看護師の川口麻衣さんは、家庭内感染で夫と共に入院していた高齢女性の病状が悪化し、人工呼吸器をつける直前に言った言葉を忘れられないという。

 「絶対に生きたいから、これからする気管挿管を頑張る。3歳の孫に絶対会うと決めてるの」

 しかしその後、転送された重症用病院で女性は死亡し、女性より前に気管挿管して転送されていた夫は回復した。このように、夫婦一緒に入院して、片方が死亡したケースは3例あったという。

 同病院では、コロナ病棟で看護師の感染も相次いだ。建物が古く、コロナ病棟も元は一般病棟のため、陰圧室はない。そこで、高性能フィルターがついた大型の空気清浄機を各室に設置。看護師がレッドゾーン(感染区域)に入るのは、1回1時間、1日計250分未満を目標にしている。

 そのため、夜勤帯は特に患者が亡くなるまでの最後の時間を、モニター越しで見守る場合がある。誰もそばでみとれない中、1人で息を引き取る患者も多い。

 「なんとも言えない、冷えた体を棺(ひつぎ)に入れるのを何回も経験した」。川口さんは、納体袋に包んだ遺体を納棺する際、遺族が入れる家族写真や思い出の帽子を見て初めて患者の人生に触れ、日頃押し殺している感情が揺さぶられたという。

 かかりたくないコロナに命を奪われる人が相次ぎ、同僚が毎日泣いていたこともあった。コロナ患者の場合、葬儀会社にスムーズにつなぐため、病院の事務職員も納棺作業を手伝った。

     ◆

 総合内科の小西弘起部長によると、5月1日から11日に入院してきた患者の73%が入院時に毎分5リットル以上の酸素が必要だった。重症相当と考えられる。同病院では一時、酸素供給が過多となり、全館の酸素圧力が下がりうる危機的状況も生じた。

 同病院は、全358床のうち143床をつぶしてコロナ病棟43床に75人もの看護師を投入している。左山朋美看護師長は、「人工呼吸器管理という、普段なら数年かかって習得する技術を、実際のケアで学んでいるのが実態」と強調する。

 有井滋樹院長は「医療資源が限られる中、(治療の優先順位を決める)トリアージを迫られ、医療者としての葛藤が生じている」と話した。(霍見真一郎)

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