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特殊なマスクを装着し、食事介助する職員=12日午後0時半ごろ、神戸市長田区一番町2、市立医療センター西市民病院(画像の一部を加工しています)
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特殊なマスクを装着し、食事介助する職員=12日午後0時半ごろ、神戸市長田区一番町2、市立医療センター西市民病院(画像の一部を加工しています)

 人工呼吸器を使わないはずの病院が、命を守る最前線の砦(とりで)になっていた。新型コロナウイルス禍で中等症患者を受け入れる神戸市立医療センター西市民病院(同市長田区)。入院患者の累計死者は64人(12日時点)に上り、半数超に当たる35人が3月1日以降に命を落とした。「患者が重症化しても転院先がない」と看護師。かつてなく病床が逼迫(ひっぱく)する「第4波」で命を救うため、不十分な態勢でも全力で重症治療に当たっている。

 同病院から12日、コロナ専用病棟への立ち入り取材を認められた。医師の指導を受けた上、個人防護具を着てレッドゾーン(感染区域)に入ると、毎分40リットルという高流量の酸素チューブをつけた高齢女性が、呼吸苦を緩和するモルヒネを投与されながら闘病していた。食事介助を受けてアイスクリームを2口だけ食べたが、すぐに「ああ、ああ」と苦しそうにもだえ始めた。

 同病院に人工呼吸管理の患者をみる集中治療室(ICU)はない。それに準じる高度治療室(HCU)は7床あるが、コロナ病棟の看護師を捻出するため閉鎖している。また、看護師約380人中、人工呼吸器の扱いに習熟しているのは約20人しかいない。

 「第3波」までは、毎分3リットル以上酸素が必要となった人で高度治療を求める場合は、市立医療センター中央市民病院などに転送していた。それが、重症化の判断ラインだった。

 だが今は「(酸素マスクでは足りず)気管挿管するレベルにならないと、事実上受け入れてもらえない」。これまで、転院時に挿管した人を含め、計16人に人工呼吸器をつけ、転院まで最長5日間呼吸器管理した人もいた。看護師のマンパワーから、同時に挿管できるのは高度治療を求める患者2人までと上限を決めている。

 別府清香看護部長は「もし挿管できていたら助かったのでは、という人もいる。病院内で感じる『災害』という感覚と、普段通り動いている社会の光景に、ギャップを強く感じる」と話した。(霍見真一郎)

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