総合 総合 sougou

  • 印刷
アフガニスタン伝統の細密画の塗り絵を販売している西垣敬子さん=宝塚市内
拡大
アフガニスタン伝統の細密画の塗り絵を販売している西垣敬子さん=宝塚市内

 長年アフガニスタンへの援助を続けている兵庫県宝塚市の西垣敬子さん(85)が、同国の伝統的な細密画を塗り絵にして販売し始めた。現地で絵を学んだ女性たちに下絵を任せ、「自分の才能がお金になると知ってほしい」と売り上げは給料に回す。細密画との出会いは、パワフルな西垣さんならではの経緯があった。(小谷千穂)

 NGO「宝塚・アフガニスタン友好協会」の代表。子育てが一段落した1994年に活動を開始し、2017年に現地での活動を終えるまで、内戦などで混乱が続く同国へ40回以上渡航した。

 日本で募った資金で、難民キャンプの乳児に物資を届け、女性の教育を禁じたタリバン政権下では「隠れ学校」を支援。草の根のネットワークを駆使し、大学に女子寮や女子トイレを建設した。

 アフガニスタンの細密画に出会ったのは2004年ごろ。現地で路上生活をしていた男の子が描いた1枚の絵だった。

 草花の細かい模様が美しく、「ペルシャのミニアチュール(細密画)ね」と思わず声を上げると、男の子に「ノー! アフガン・ミニアチュール」と怒られたという。

 アフガンの細密画は聞いたことがなかった。タリバン政権下で破壊が続いた同国で「こんなにすてきな文化が残っていたの」。日本に帰国すると、すぐにインターネットで検索。現地の大学をくまなく調べ、西部の古都へラートにある国立へラート大学に美術学部の細密画学科を見つけた。

     ◆

 「考えずに行動する、突っ走る人間」と自己分析する西垣さんは、サイトに載っていた電話番号にすぐ国際電話をかけた。

 「アイアムジャパニーズウーマン(私は日本人女性です)」と話を始め、たどたどしい英語で細密画を見てみたいと伝えた。すると教授だと名乗る男性が「プリーズカム(来てください)」と即答。「向こうもへたくそな英語やったわ」と西垣さんは振り返る。

 その男性は、アフガン細密画研究の第一人者で画家のアブドゥル・ナセル・サワビー教授。西垣さんはすぐにビザを申請し、大学に向かった。2人の親交は今も続く。

 これを機に、アフガンの細密画にとりつかれた西垣さん。魅力を日本に伝えたいと、サワビー教授が執筆したペルシャ語の論文を3年かけて翻訳し、出版した。

 だが、治安が不安定なアフガンでは美術を学んだ人が才能を生かせる場がない。女性が働く環境は今も整っていない。

 現地での活動は引退したが、「日本にいながら大好きなアフガンのためにできることをしたい」と、新たな活動を考えた。

     ◆

 塗り絵は、へラート大学の細密画学科で技術を学んだ20代の女性9人が担当する。全員、卒業後は結婚したり家事を手伝ったり、絵に関わる仕事ができていない。

 それぞれが描いた下絵をスマートフォンで撮影して送ってもらい、縁取って上質紙に印刷した。サワビー教授の細密画をプリントしたクリアファイルに入れて千セットを用意し、昨秋から販売している。

 「アフガンでも女性が特技を生かし、社会で堂々と働ける時代がきてほしい」。今後は、日本初の展覧会開催を目指すそうだ。

 1セット1400円(送料別)。申し込みは西垣さんのメール(keiko665@gmail.com)まで。

総合の最新
もっと見る

天気(3月8日)

  • 14℃
  • ---℃
  • 0%

  • 10℃
  • ---℃
  • 20%

  • 14℃
  • ---℃
  • 10%

  • 13℃
  • ---℃
  • 0%

お知らせ