15日に投開票された兵庫県丹波市長選で落選し、12月4日で退任する谷口進一市長が24日、市役所で会見を開き、次期市長の林時彦氏が公約に掲げた新型コロナウイルス対策で全市民に5万円を給付する案について「市議会ではたぶん否決されるだろう」との見方を示した。
会見のテーマは「谷口市政4年間の振り返り」だったが、谷口氏は「言わずにはおられない」として会見約30分の大半を使い、林氏の公約や選挙戦術に対する批判を展開した。
谷口氏は「5万円の話を聞いた直後には、120パーセントありえないと、自信を持って思った」と振り返った。林氏が、市庁舎整備の基金約24億円(2020年度末見込み)を主な財源としていることに「現実的ではない」とし、「見送られるべきだと思う。国や県からも『そんなに余裕があるのか』とみられるだろう」と訴えた。
さらに「本当に市民が100パーセント納得ずくで、このような投票行動をされたのか疑問に感じている」とも。「戦い終わってノーサイドというわけにはなかなかいきがたい。後味の悪さが残っている」と話した。(藤森恵一郎)
