兵庫県の井戸敏三知事は23日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、近く県民に対し、東京や大阪など感染拡大地域との不要不急の往来自粛を要請する考えを示した。24日に県の対策本部会議を開き、決定する見通し。国の観光支援事業「Go To トラベル」については、引き続き兵庫の適用を求めるとした。
井戸知事は、全国知事会が23日にオンラインで開いた新型コロナ対策本部の会合の中で、「不要不急の外出自粛や、東京、大阪など(新型コロナ感染者の)大量発生地域との往来自粛も検討しなくてはいけないのではないか」と発言。会合後の取材に「かなり思いきった対策をやっておかないと、地滑り的に(感染者が)増える恐れがある。県民への協力をしっかり要請していかないといけない」と強調した。
大阪府などとも調整する見通しで、「大阪が(感染者が)増えれば兵庫も増えるというのは、過去の傾向で出ている。やはり交流圏が一体という面が出ている」と説明した。
大阪などとの往来自粛は3月以降、複数回にわたって県民に要請。国の緊急事態宣言が解除された後の7月にも、人口密集地や感染が拡大している地域との不要不急の往来を控えるよう協力を呼び掛けた。
一方で過去に実施した、飲食店などへの営業時間の短縮要請については「地域(単位で)クラスター(感染者集団)が発生しているわけではないので、現時点では過度な対応になる」と行わない方針を示した。
また、井戸知事は知事会の会合で「Go To トラベル」に関し、東京や大阪などを一時的に対象から除外することを提言。会合後、兵庫については「患者数が増えているが、東京や大阪ほどではない」と対象地域としての継続を求めた。(末永陽子)
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