くせのない濃厚なうま味が特長の「1年牡蠣(がき)」と呼ばれる養殖カキの水揚げが、兵庫・播磨灘西部の各港で最盛期を迎えつつある。成育が順調に進み、殻を開けばプリプリの大粒が飛び出す。冬本番の冷え込みが到来すれば、味わいは一層深まっていく。
兵庫県水産課によると、2018年の県内の水揚げ量は約8700トンで、広島、宮城、岡山に次ぐ規模。相生や赤穂、たつの、姫路が産地として知られる。
養殖は通常2~3年かかるが、揖保川や千種川などから豊富な養分が注ぐ播磨灘では、半年から1年の短期間でカキが大きく育つ。
相生漁業協同組合では10月中旬以降、22軒の生産者が今シーズンの出荷を始めた。同漁協カキ養殖生産協議会の田中重樹会長(59)は「1年牡蠣は加熱しても縮みにくく、味わいの評価も高い。新鮮なカキをぜひ楽しんで」とアピールしていた。(小林良多)
