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京の絵師長沢芦雪が和歌山・串本へ出向いて制作した墨絵「虎図襖」(無量寺串本応挙芦雪館蔵)
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京の絵師長沢芦雪が和歌山・串本へ出向いて制作した墨絵「虎図襖」(無量寺串本応挙芦雪館蔵)
狩野山雪筆の重要文化財「寒山拾得図」(京都・真正極楽寺真如堂蔵)
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狩野山雪筆の重要文化財「寒山拾得図」(京都・真正極楽寺真如堂蔵)

 「奇」には、「変わっている・珍しい」のほか、「非凡」「思いがけない」の意味がある。あべのハルカス美術館(大阪市)で開催中の「奇才-江戸絵画の冒険者たち」展では、思いもかけぬ表現世界を開拓した近世絵師35人を紹介。東京一極集中が目立つ現代と異なり、江戸の世には、地方に独自の豊かな文化があり、異才が育まれたことが見て取れる。

 「京」「大坂」「江戸」「諸国」と地域別の章立て。かつて「異端」「傍流」と見なされた伊藤若冲や曾我蕭白らのほか、新たな表現に挑んだ奇才として、琳派の俵屋宗達や写生を重視した円山応挙といった巨匠も取り上げる。

 応挙の高弟、長沢芦雪が和歌山で描いた「虎図襖」は、実物より巨大な虎が、襖から飛び出さんばかりの大迫力。だが、丸みを帯びた虎の顔は猫にも似てどこかユーモラス。日本には虎がおらず、猫をモデルに虎図を制作したのだろう。襖の表裏両面を観覧でき、虎図の裏面に小さな猫が描かれているが、「虎の正体は実は猫」と、芦雪自身による種明かしだろうか。

 奇怪さで目を引くのは、狩野山雪の「寒山拾得図」。伝説的な風狂の僧2人は不気味で怖い。蕭白「群童遊戯図屏風」の子どもらもグロテスクで、愛らしいとは程遠い。

 一方、臨済宗の僧だった白隠や仙崖の禅画、大坂で愛された耳鳥斎の戯画は、現代のヘタウマ風の挿絵や漫画に似る。自由な発想、奔放な筆さばきに心和む。

 近世にも江戸・京・大坂の三都に優れた才が集ったが、長崎、山口など地方でも豪商や社寺の有力者らが文化芸術を守り育てた。江戸美術の豊かさを、「地方」という視点からも再確認させてくれる好企画だ。

 11月8日まで。同館TEL06・4399・9050

(堀井正純) 

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