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双葉町職員の板倉幸美さん(右)にスケッチ集を寄贈する曺弘利さん(中央)=8月11日、福島県双葉町(曺さん提供)
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双葉町職員の板倉幸美さん(右)にスケッチ集を寄贈する曺弘利さん(中央)=8月11日、福島県双葉町(曺さん提供)
曺さんがスケッチした板倉さんの旧家。今後、解体・撤去される。
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曺さんがスケッチした板倉さんの旧家。今後、解体・撤去される。
ランドセルや机が散乱した福島県双葉町立双葉南小学校の教室。原発事故直後の混乱を物語る
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ランドセルや机が散乱した福島県双葉町立双葉南小学校の教室。原発事故直後の混乱を物語る

 東京電力福島第1原発事故による全町避難が9年間続いた福島県双葉町で、神戸市長田区の建築士、曺弘利(チョ・ホンリ)さん(67)が描いた街のスケッチ集が現地で展示されることになった。街は今春に一部エリアで避難指示が解除され再生への一歩を踏み出し、原発事故の爪痕は少しずつ消え始めている。「街の記憶を失わない一助に」と願う曺さん。寄り添う気持ちを、同町職員も励みにしている。(金 旻革)

 阪神・淡路大震災で事務所が全焼した曺さんは、国内外の被災地支援に取り組み、2011年の東日本大震災でも直後から支援活動に乗り出した。その傍らで、職業柄得意とするスケッチで被災地の現状を記録し続けている。

 双葉町に足を運んだのは今年1月と8月。ランドセルや巾着袋が散乱する双葉南小学校や無人の町役場などを訪ね、時が止まった姿を目の当たりにした。野ざらしになったままの朽ち果てた家屋、汚染土を詰めたフレコンバッグの仮置き場などをスケッチした。

 震災まで約7千人が暮らした同町は福島第1原発が立地する。原発事故で全町民は避難を余儀なくされた。今年3月、町全体の5%に当たるJR常磐線双葉駅周辺の約550ヘクタールが立ち入り可能になったが、家々の解体が進み往時の面影は失われつつある。曺さんが描いた双葉南小の内部も片付けられ、事故後の様子はもう見受けられない。

 曺さんが寄贈した計18枚のスケッチは双葉駅に隣接する休憩施設に置かれ、情報共有の手段として同町が町民に配布したタブレット端末で配信されている。今後、額に収めて展示される予定という。

 同町秘書広報課の板倉幸美さん(61)は「震災を忘れないために貴重で大変ありがたい」と語る。板倉さんの旧家を描いたスケッチもあるが、カビに侵食された建物は今後、解体・撤去される。

 帰還を望む町民は1割にとどまり、街の再生は容易ではない。曺さんは「被災地の力になれるよう、足を運び続けたい」と話した。

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