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13年間にわたって撮り続けたハクチョウの写真集を出版した名村一義さん=たつの市
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13年間にわたって撮り続けたハクチョウの写真集を出版した名村一義さん=たつの市

 兵庫県たつの市の元カメラマン、名村一義さん(81)が昨春まで13年間にわたって追い続けたハクチョウの写真集「冬の使者白鳥」を自費出版した。1万500カットの中から躍動感、優雅さをたたえた81枚を収録。厳寒の地でシャッターチャンスを待ち続けた並々ならぬ情熱が伝わる。

 名村さんは会社勤めを経て、32歳のときに郷里で写真スタジオを始めた。ハクチョウ撮影に挑んだのは67歳から。尼崎市出身の早世の写真家、若本俊雄さんの作品にみせられたのがきっかけだった。

 福島県の猪苗代湖や楢葉町などへ毎年3回、マイカーを駆って1週間ずつ滞在した。ところが最初は「変哲もない写真ばかり」で思うように撮れない。越冬期の行動、一日の生活サイクルなど生態を数年がかりで書物や地元の人から学んだ。シャッターチャンスを待ち構え、朝日を浴びて餌場に向かう群れ、ロシア極東へと旅立つ瞬間など、次第に狙い通りの写真が一枚一枚と手元に残るようになった。

 東日本大震災では楢葉町が警戒区域に指定され、立ち入れなくなった。3年ぶりに足を運ぶと飛来地に人の姿はなく「水のない池をハクチョウが歩く姿が衝撃的だった」。後に住民から「鳥は地震の5分前に一斉に飛び去った」と聞いた。

 力強くしなる羽の動き、愛を語らうように寄り添うつがい-。「表情がけなげで、しぐさひとつにドラマがある」と名村さん。「はるか数千キロを往来し、命をつなぐ渡り鳥の宿命を撮りたかった」と語る。

 今回の写真集出版でハクチョウの撮影は一区切り。今後は四国の清流、仁淀川の自然のビデオ撮影に新たな情熱を傾ける。

 写真集は3850円(税込み)。市内の龍野、新宮図書館で閲覧できる。(松本茂祥)

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