ひとあし早く春の訪れを感じる「さくらカラー吹きガラス体験」が、兵庫県三田市香下の市ガラス工芸館で始まった。好みの高さや口の大きさに調整することで、コップのほか、一輪挿しにもなる。淡いピンクや緑のガラスが陽光を浴びてきらきら輝き、新たな季節を演出している。4月25日まで。(喜田美咲)
春らしい体験を楽しんでもらおうと、同館が考案した限定企画。昨春、初めて企画したが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う休館で実施できず、1年越しの実現となった。
吹きガラス体験の所要時間は約30分。まず、珪砂やソーダ灰などを混ぜて作ったガラスの原料を、吹き竿(ざお)で巻き取り、溶鉱炉から取り出す。約1300度に熱せられた原料は、マグマのようなオレンジ色だ。
次に、ピンクや赤、緑の粉の色ガラスをまぶし、さらに上から透明のガラスを巻き付ける。息を吹き込み器の形に膨らましたり、先端のとがった「ジャック」を使って飲み口を広げたりする。形を整えたら480度の電気炉に入れ、一晩かけてゆっくりと室温まで冷まして仕上げるといい、完成品は1週間ほどで受け取れる。
母子で体験した神戸市立藤原台小学校5年の児童(11)は飲みやすいようにと円柱形のまっすぐなコップ作りに挑戦。「ガラスがすぐに固まるから全力で息を吹き込んだ。飲み口をうまく広げられたので完成が楽しみ」と満足げだった。
また、金箔(きんぱく)やピンクの色ガラスを混ぜて、ピンセットやはさみで桜の花びら形にしたトレーを作る体験も実施している。所要時間は約30分。
小学3年生以上が対象で1日の定員は6人。吹きガラス体験は2900円、トレー作りは3千円。午前9時~午後4時。前日までに予約が必要。火曜休館。同館TEL079・564・5111
