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日本の酒を効率よく海外へ 大森廻漕店が輸出代行

2020.12.04
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香港で開かれた日本酒の試飲販売会。現地では和食とともに清酒の人気も高いという(大森廻漕店提供)

香港で開かれた日本酒の試飲販売会。現地では和食とともに清酒の人気も高いという(大森廻漕店提供)

 港湾運送の大森廻漕店(神戸市中央区)は、酒類の輸出代行サービスを始めた。複数の蔵元が醸す日本酒や焼酎、リキュール類などの輸出手続きや配送を一括で請け負い、物流コストを削減する。現地法人を置く香港向けを中心に手掛け、集荷促進と中小蔵元の販路開拓につなげる。(横田良平)

 海外の日本料理店では、和食に合わせる酒として日本の酒類も人気という。大森廻漕店は2017年に酒類の輸出に必要な免許を取得しており、今回の新サービスに活用する。

 同社によると、酒類は一般的に多品種小口の取り扱いが多く、1社ごとに輸送料がかかる。大手の酒造会社は自前で輸出手続きを行えるが、中小の蔵元にはコスト面の負担が大きく、海外進出の障壁になっているという。

 そこで輸出する酒を各地からいったん神戸・ポートアイランドの倉庫に集め、一つのコンテナに混載して輸送する。仕向先の飲食店などへの配送には、同社の現地法人や代理店網を活用。輸送中の温度管理を万全にし、場合によっては決済代行も担う。

 蔵元は煩雑な書類の作成や配送手続きの手間が省略でき、海外のバイヤーと売買契約を結んだ後は倉庫に出荷するだけ。バイヤーは複数の調達先から集められた貨物を扱え、仕入れを効率化できる。

 代行サービスはアジア圏を想定。特に香港は飲食店などへの直販ルートもあり、取引先の紹介も可能という。今後、カンボジアやタイなどでもサービスを広げ、地ビールやウイスキーなど扱う酒も増やす方針。アジア圏での自由貿易を促進する地域的な包括的経済連携(RCEP)も好材料とみて、集荷拡大を図る。

 須藤明彦社長は「日本の酒はアジア各地で人気が高い。売るすべがない、通関事情を知らない蔵元でも販路拡大を考える契機になれば」と話している。