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神戸製鋼所 高炉管理にAI活用 温度予測システム開発

2020.09.17
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AIを導入した神戸製鋼所加古川製鉄所第2高炉の制御室。溶けた鉄の温度の予測値がモニターに表示される(同社提供)

AIを導入した神戸製鋼所加古川製鉄所第2高炉の制御室。溶けた鉄の温度の予測値がモニターに表示される(同社提供)

神戸製鋼所加古川製鉄所第2高炉の外観(同社提供)

神戸製鋼所加古川製鉄所第2高炉の外観(同社提供)

 神戸製鋼所(神戸市中央区)は17日、製鉄所の心臓部である高炉の管理に人工知能(AI)を使い、溶けた鉄の温度変化を予測するシステムを開発したと発表した。温度が下がって鉄が固まり、生産に支障が出るのを防ぐ。熟練者の経験を自動化し、操業の安定度を高める。(大島光貴)

 加古川製鉄所(加古川市)で稼働する2基のうち、「第2高炉」で運用を始めた。オンラインで会見した同社の宮田健士朗製銑開発部長は「本年度中を目標に、第3高炉にも展開したい」と話した。

 高炉では、鉄鉱石から酸素を取り除いて銑鉄を生産する。石炭を蒸し焼きにしたコークスと鉄鉱石を入れ、熱風と微粉炭を吹き込む。溶けた鉄の温度を約1500度に保ち、炉内を流れるガスの通気性を確保することで安定操業できる。

 新システムは、過去数十時間のデータを学習したAIが、5時間後までの温度変化を高精度に予測する。温度低下の兆候をいち早く察知し、従業員が熱風や微粉炭などの調整に当たれるようになる。

 従来、熟練者が溶けた鉄のデータや色などから温度変化を予測していた。経験が浅い若手が増えた上、コストを抑えるためコークスを極限まで減らしたことで難易度が上がっているといい、約1億円を投じてAIシステムを開発した。

 同社はさらに約1億円をかけ、炉内の通気性の予測も加えて自動制御するシステムを開発する計画で、2025年ごろの完成を目指す。