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兵庫県の鳥獣被害額10年で半減 捕獲強化が奏功、集落支援を継続

2020.09.15
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 野生鳥獣による兵庫県内の2019年度の農林業被害額が、前年度比15%減の4億9250万円だったことが、県のまとめで分かった。加害鳥獣の捕獲強化や防護柵設置などの効果が出たためとみられ、10年度(9億7390万円)からほぼ半減した。ただ、農業を営む集落の6%超で大きな被害が出ており、県は「野生鳥獣との共生に向け、集落での対策支援を続けたい」としている。(山路 進)

 野生鳥獣のうち、獣類の被害額は前年度比22%減の4億750万円。イノシシ(1億8290万円)、シカ(1億5450万円)の上位2種で約7割を占め、アライグマが4960万円と続いた。前年度から増えたのはクマ(470万円)のみで、2・8倍だった。木の実の不作で果樹などが荒らされるケースが多かったという。

 鳥類の被害額は44%増の8500万円だった。例年と同じく最多のカラス(3080万円)は22%減。一方、ハト・スズメが3・3倍の2910万円、ヒヨドリが2・6倍の2330万円と大幅に増え、東播磨地域での被害が目立った。

 鳥獣による被害額の92%は農業で、残りが林業だった。農業では過半を占めたイネを筆頭に、イチゴ、黒大豆、ブドウ、トマトが続いた。林業ではシカによる苗木の被害が大半だった。県によると、県内3336の農業集落のうち、約6%の200集落以上が生産量の3割以上の被害を受けたという。

 県は10年度以降、狩猟期(秋-翌年春)に加えて、集落近くに防護柵、わなを設置するなど有害鳥獣の捕獲を強化してきた。それでも、19年度のシカの捕獲数は4万937頭と目標を11%下回った。同年度の推定生息数は11万頭で、26年度の推定生息目標(3万頭)と依然大きな開きがある。また、イノシシの捕獲数は2万2957頭で捕獲目標の2万頭を超えたが、被害額は依然大きいとして、本年度に捕獲目標を2万5千頭に引き上げた。

 県は被害集落に職員らを派遣し、効果的な防護柵とわなの設置などを指導。過去に設けた柵の総延長は約3400キロ、対策実施集落数は172に上る。県鳥獣対策課は「対策を強化し、野生鳥獣が奥山で生息できるようにしたい」としている。