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VRで溶接作業 神鋼E&Mなどが訓練システム開発

2020.09.12
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溶接の技術を習得できるVR映像の一場面(神鋼E&M提供)

溶接の技術を習得できるVR映像の一場面(神鋼E&M提供)

新システムで溶接の訓練に当たる神鋼E&Mの新入社員ら。場所を選ばない手軽さも特長だ(神鋼E&M提供)

新システムで溶接の訓練に当たる神鋼E&Mの新入社員ら。場所を選ばない手軽さも特長だ(神鋼E&M提供)

 設備保全の神鋼エンジニアリング&メンテナンス(E&M、神戸市灘区)は、仮想現実(VR)を使った溶接の訓練システムを、ベンチャー企業のイマクリエイト(東京)と共同開発した。熟練者の技能を効率的に伝承する狙い。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う非接触のニーズにも応える。(大島光貴)

 溶接の現場では、溶接時に強い光を放つため、手元の動作が見えにくく、初心者が熟練者の技を模倣しにくい難点があった。神鋼E&Mは、熟練者と同じ目線で練習ができるVR技術に着目した。

 新システムは、ゴーグルを着けた訓練者が、溶接用の持ち手を模したコントローラーを握り、熟練者の作業を再現した映像を見ながら、その動きをまねて反復練習する仕組み。映像にメーターが表示され、溶接材料に対する角度や溶接の速さなども確認できるようにした。

 アーク溶接などの3タイプに対応する。熟練者の再現映像は、実際の動きに限りなく近づけた。溶接をVR化することで火花が飛び散らず、溶接材料も不要。準備の手間が省け、コストも抑えられる。

 神鋼E&Mが6月に行った新システムの実証実験では、新入社員9人がVR組と実技組に分かれて5日間訓練。VR組が実技組に比べて、1日から1日半ほど早く習得したという。指導した同社の大野純一さん(42)は「VR組の方が手の動きが安定していた」と振り返る。

 新型コロナで、人との接触が避けられるVRのニーズが高まっており、年内にも新システムを発売する。イマクリエイトの山本彰洋社長(33)=神戸大卒=によると、コロナ禍で開きづらくなった集合研修に活用する動きとして、VRの問い合わせが増えているという。

 神鋼E&Mの青山雄一郎市場開発室課長(41)は「溶接の技能伝承に困っている企業に幅広く使ってもらえれば。世界に発信できるものを作りたい」と意気込む。