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 心臓から血を肺に送り込む「肺動脈」が細くなったり閉じたりする難病「肺高血圧症」のメカニズムを解明する物質を、神戸薬科大(神戸市東灘区)の池田宏二客員教授らの研究グループが発見したと発表した。肺高血圧症で新薬開発の鍵となる物質の発見は初。

 池田客員教授や肺高血圧症に詳しい同大学の江本憲昭教授によると、患者で多いのは10代から20代の女性。薬ができた1999年ごろまでは、診断後5年生きられる割合(5年生存率)が3割程度だった。肺動脈に特化して血管を広げる薬が開発された後、格段に治療成績は上がったが、患者の3割弱は薬が効きづらいというデータもあり、妊娠直後に発症したり、幼い子どもを残して亡くなったりするケースもあるという。

 そこで、こういった対症療法ではなく根本的な治療法を探ろうと、同大学では2015年ごろ、メカニズム解明の研究をスタートさせた。発症した時にまず異常が生じる肺動脈の内壁を作る細胞(血管内皮細胞)に着目し、遺伝子を調べた。その結果、他のあらゆる血管に比べ、肺動脈の内皮細胞だけ「インヒビンβ-A」という遺伝子が多いことが分かった。

 さらに、肺高血圧症患者が、このインヒビンβ-Aを健常者に比べて過剰に作りだすために、細胞が機能異常を起こすことも判明。遺伝子組み換えでインヒビンβ-Aをなくしたマウスを作り、肺高血圧症を誘発しやすい環境負荷をかけても、発症しなかったという。研究チームは、何らかの理由でインヒビンβ-Aが過剰に作りだされることが病気を引き起こす原因と結論付けた。池田客員教授は「インヒビンβ-Aが過剰に作りだされるのを抑える薬の開発が進むものと思われる」と話している。(霍見真一郎)

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