阪神・淡路大震災で長男漢之(くにゆき)君=当時(7)=と長女深理(みり)ちゃん=当時(5)=を亡くした父、米津勝之(かつし)さん(60)が15日、兵庫県芦屋市立山手小学校(同市山手町)で講演した。
震災について学ぶ同校の「1・17集会」の一環。新型コロナウイルス対策のため、米津さんが1、2年生の各教室を巡回し、15分ほどの講演を行った。
米津さんは同市立精道小学校に通っていた漢之君の黒いランドセルを見せ「たった10カ月しか使えなかった。このランドセルには物以外に何が入っているのか考えてほしい」と子どもたちに「宿題」を出した。
また、震災前日、家族と作ったカレーライスを「あした、たべるのがたのしみです」とつづった漢之君の「あのね帳」も紹介。「息子の17日はやって来なかった。みんなは毎日を大事に生きていますか」と問い掛けた。
講演を終えた米津さんは「体験を子どもだけでなく、先生など若い世代につないでいけたら」と語り、2年の女児(8)は「お母さんにも話を聞いて、震災のことをもっと勉強したい」と話した。(名倉あかり)
