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完成したキューブを披露する子どもたち=西宮市段上町7、段上小学校
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完成したキューブを披露する子どもたち=西宮市段上町7、段上小学校
ルービックキューブに取り組む児童たち=西宮市段上町7、段上小学校
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ルービックキューブに取り組む児童たち=西宮市段上町7、段上小学校
素早い手つきでキューブをそろえていく=西宮市段上町7、段上小学校
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素早い手つきでキューブをそろえていく=西宮市段上町7、段上小学校

 「カシャ、カシャ…」。教室に響くプラスチックの擦れる音。3分後。最後の1人が6面をそろえ、拍手が湧き起こる。笑顔の小学5年生たちの前には、六面立体パズル「ルービックキューブ」。かつての大ブームで、手のひらサイズのこのキューブに振り回された経験を持つ大人も多いはず-。そんな立方体の6面を全員が3分以内に同じ色でそろえられるクラスがあると聞き、兵庫県西宮市内の小学校を訪れた。(村上貴浩)

 静まりかえった教室で児童が一心不乱にキューブを操る。西宮市段上町7の段上小学校。今年から導入されたプログラミング授業の一環として取り組む。規則的な動きを組み合わせてキューブの色をそろえる過程で、プログラミングの論理的な思考方法を学ぶ。

 きっかけは、新型コロナウイルス感染拡大だった。パソコンやタブレットなどの必要機材は高価で数が少なく、児童間での共有が必要なため、感染防止の観点から使用できていない。そこに休校措置も重なった。

 同校の5年1組担任である宮垣公一さん(48)は、プログラミング教育に関する同市の研究グループに所属。昨年2月、算数の立方体の授業にルービックキューブを使ったことがきっかけで「ルービックキューブを完成させるまでの考え方は、プログラミングに必要な思考に似ている」と思いついたという。

 6面各面の色をそろえる過程には決まった攻略法があり、手順に従えば誰でも6面を同じ色にすることができるという。プログラミングでも、ロボットに規則的な動きを命令する過程などが必要。キューブで手順を組み合わせたり、失敗と成功を繰り返したりする過程が共通する。

 宮垣先生は今年3月、キューブの導入を学校へ提案し、学校全体で取り組むことになった。新型コロナの休校期間に全校児童562人分を用意。共有しないので感染予防にもなる。

 学校再開後も子どもたちはキューブに熱中。見る見るうちにみんなができるようになっていった。

 3時間目、総合の授業。5年1組の児童たちは、ばらばらになっているキューブを置き、両手を机についてセットする。「よーい、スタート!」。宮垣先生の合図とともに生徒たちが一斉にルービックキューブを回し始める。真剣な表情で一心不乱にキューブを回し、教室には「カシャカシャ」という音だけが響く。

 わずか約30秒後。「はい!」と手を上げた児童の手元には、6面が全て同じ色でそろえられたキューブが置かれている。2分後にはほとんどの児童が完成させた。「落ち着いて」「頑張れ!」。なかなか完成しない子にもクラス全員でエールを送り、見事に目標の3分を切るタイムで全員が完成させた。拍手とともに全員で喜ぶ。

 クラスの中には独自の手順を編み出す児童もいる。より早さを求めたり、自分だけの攻略法を見つけたりするため、試行錯誤を繰り返す。この過程もプログラミングに生かされる。

 島田和真君(11)が初めて完成させたのは、ようやく8月ごろだった。今では平均30秒でそろえることができ、クラスでも上位の早さだ。「思ったようにそろわなかったら、次の手を考える」「次々に違う手順を考えていって、みんなと違う攻略法を見つけるのが面白い」と目を輝かせた。

 最終的な目標は、全校児童全員が3分以内にそろえること。宮垣先生は「プログラミングに必要な思考方法を学ぶことはもちろん、生徒たちが教え合い、共通の目標達成に向かって努力することにも大きな意味がある」と力を込めた。

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