連載・特集 連載・特集 プレミアムボックス

丹波豪雨

  • 印刷
施術する幡智之さん。相手に話しかけながら、患部をさすって治療する=丹波市春日町野村、喫茶店「みんなのいえ」
拡大

施術する幡智之さん。相手に話しかけながら、患部をさすって治療する=丹波市春日町野村、喫茶店「みんなのいえ」

施術する幡智之さん。相手に話しかけながら、患部をさすって治療する=丹波市春日町野村、喫茶店「みんなのいえ」

施術する幡智之さん。相手に話しかけながら、患部をさすって治療する=丹波市春日町野村、喫茶店「みんなのいえ」

 兵庫県丹波市春日町棚原の整体師幡智之さん(57)は昨夏の丹波豪雨の後、被災地で整体の施術を続ける。「その後変わりありませんか」。患部を優しくさすりながら語り掛けるスタイルは、阪神・淡路大震災のあった20年前、西宮市の避難所で生まれた。(藤本淑子)

 幡さんは震災前、尼崎市尾浜町で鉄工所の2代目として働きながら、空手道場の指導員として地域の子どもを教えていた。中国整体の勉強も続けていた。

 震災で自宅や会社は無事だったが、道場の教え子の安否が気になり探し回った。「西宮の体育館に大勢が避難している」と聞き、向かった避難所は人であふれかえっていた。

 避難者と話すうち、知り合いができた。教え子の情報を教えてもらう一方で、整体の技術を生かしマッサージを始めた。優しくさすりながら声を掛けた。体に触れていると「実は…」と、今後の不安を語り始める人もいた。

 避難所が閉鎖された後も、仮設住宅に移った高齢者をたびたび訪ねた。街が復旧しても、心の傷はなかなか癒えない。「20年たった今でも心のケアを必要とする人はいる。災害時は、体も心も一緒にケアすることが大切だと避難所で学んだ」と振り返る。

 2011年には心のケアを行う「メンタルケア・スペシャリスト」の資格を習得。鉄工所を閉めて昨年2月、丹波市春日町に移住したが、同8月に豪雨災害が起きた。支援物資が積み上がる避難所を見て、20年前を思い出した。

 翌月から被災地のお年寄りを訪ね歩き、現在も被災者宅などで施術を続ける。幡さんが一番大切にするのは対話。「体はすぐ治っても、心を整えるには時間が掛かる。20年前の教訓を今ここで生かしたい」とほほ笑む。

2015/1/18
 

天気(10月24日)

  • 21℃
  • 12℃
  • 10%

  • 20℃
  • 10℃
  • 20%

  • 21℃
  • 11℃
  • 0%

  • 22℃
  • 10℃
  • 10%

お知らせ