正平調

時計2020/10/26

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「倚(よ)りかからず」や「自分の感受性ぐらい」で知られる詩人、茨木のり子さんは生前、甥(おい)にこんなメッセージを託した◆「通夜や葬儀は一切無用。死後1カ月が過ぎたら、生前に書き置いた『お別れの手紙』を、お世話になった方々に届けてほしい」と。実際、250通もの手紙が残されていた。親しい人へ、詩人が最後に伝えたかった言葉は何だろう◆本紙で7月から連載中の「ひょうご戦後75年 ラストメッセージ」は、戦中世代が若い人たちに宛てた励ましの手紙のようでもある。妹尾河童さん、賀川浩さん、扇千景さん…。兵庫で育ち、戦前戦後を生き抜いた大先輩たちが登場した◆ノーベル化学賞を受けた野依良治さんには「現役ばりばりのつもりなのに、『ラスト』とは心外です」とおしかりを受けたが、「若輩でよければ」と引き受けてくださった。「未来は不確実性に満ちている。自分たちだけでなく、後継世代のことをよく考えて行動を」。30年50年先を見すえる目を私たちは備えているか◆「何か一つ、芯の通った生き方を」は94歳の女優、河東(かとう)けいさんの言葉。今夏、その公演を尼崎で拝見した。車いすの上で90分の一人語りを一気に演じ切った◆倚りかからない、芯の通った生き方を、舞台からも受け取った。2020・10・26

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