正平調

時計2020/10/20

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今年の秋は、播磨の音がしない。例年通りキンモクセイが香り、青空は高く澄んでいるけれど、どうにも物足りない。理由の一つは、祭り太鼓が聞こえないこと。コロナ禍で秋祭りの自粛が相次いだ◆祭り屋台の太鼓は、遠くまでよく響く。柔らかくした牛革を、極限まで引き伸ばして張るからだと聞いたことがある。わずかでも傷や穴があると、破れてしまうそうだ◆祭り屋台研究の第一人者、粕谷宗関(そうかん)さんによると、太鼓は神様を呼ぶための祭具という。だから遠くまで音が届き、聞く者の心を躍らせる。「せめて太鼓だけでも鳴らしてほしい」。粕谷さんの嘆きにうなずく◆今秋も聞きたかったもう一つの音は、ル・ポン国際音楽祭だ。赤穂ゆかりのバイオリニスト樫本大進(だいしん)さんが手掛け、14回目を迎えるはずだった。秘曲ぞろいの演目や野外公演の趣向で、ファンは全国に広がった◆小欄も毎年楽しみにしているが、完璧なアンサンブルにいつもため息が出る。樫本さんらトップ奏者が2番手に回って支えるのだから、音の同調性や切れ味は比類ない◆数年前、赤穂城跡での野外公演中に、祭り太鼓が聞こえてくるハプニングがあった。今思えば何というぜいたくか。播磨の秋を象徴する二つの音、来年は、何が何でも聞きたい。2020・10・20

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