正平調

時計2020/08/29

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在任わずか65日、石橋湛山は病に伏して総理を辞めた。予算審議にも出席できないようであれば、進退を決すべき-そう考えたと辞意の弁にある。「私の政治的良心に従います」と◆短命だったゆえに皮肉なことながら、首相として湛山が残したものは「引き際の美学」だったといまも語られる。進んで地獄、引いて地獄は古今を問わず権力者の宿命に違いないが、幕引きはいつも突然訪れる◆続投か、辞任か。安倍晋三首相の心でいつからか揺れ始めた振り子は後者に決したらしい。続投では…というおおよその見方に反して、首相がいきなり辞意を表明した。持病が再発し、職責を果たせないという◆戦後の75年で首相になった人は33人いる。そのうち晴れやかな気持ちで官邸を去っていけた人は恐らく数えるほどにすぎまい。再登板を果たした後、7年8カ月を誇った安倍さんでさえ“志半ば”の退場である◆長期政権への向かい風に、迷走するコロナ対策への批判が病身には重い負荷となったのかもしれない。またも投げ出しか、はたまた美学か、この去り際も安倍政治への評価とともに見方が分かれるところだろう◆まさかのかたちで「安倍1強」は幕となるが、政治路線のあり方は後継レースでも問われよう。国難の時代に。2020・8・29

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